大嫌いなあなたと結婚したら、世界一幸せな妻になりそうです!?

-
- 本販売日:
- 2022/02/04
- 電子書籍販売日:
- 2022/02/04
- ISBN:
- 978-4-8296-8473-3
- 試し読みについて
- 電子書籍のご購入について

目覚めたら、執着系御曹司の妻でした
記憶喪失になった陽菜。
目覚めたら、大嫌いな幼馴染の郁哉と結婚していた!?
最悪な状況に家を出るものの、彼が執拗に追いかけてきて
「僕は今も昔も君が好きなんだ」
切実な訴えに心が揺れる。
激しいキスも愛撫もどこが感じるのかすべて知り尽くされていて――。
熱い楔を身体の奥深くに感じれば、待ち望んでいた快感が止まらない。
新婚夫婦の甘く淫らなリスタート恋愛!

神原郁哉(かんばらいくや)
大手製薬会社の御曹司。絵に描いたような優等生だが、子どもの頃は陽菜をいじめていた。今は陽菜を気遣ういい夫らしいが……。

神原陽菜(かんばらひな)
目覚めたら、3年間の記憶がなくなっていたオタクな女子。忌み嫌っている郁哉と結婚してしまったと聞かされてパニックに。
「陽菜ちゃん、どうして昨日僕の家に来てくれなかったの?」
少年は、登園してすぐに見つけた少女へ駆け寄った。
彼女はつぶらな瞳を更に丸く見開き、こてんと首を傾げる。柔らかそうなおかっぱの髪が、光に透けて薄茶に煌めいた。
「だって、お約束してなかったよ?」
「でも毎日来てくれていたのに」
一昨日もその前も、同じ時間に彼女は遊びに来てくれた。母親同士も楽しげにお喋りしていたはずだ。けれど昨日は少年が胸を高鳴らせながら待っていたのに、少女は一向に現れなかった。
今まで、家に招いてまで遊びたいと願った友達はいない。
幼いながら少年は、自分の立ち位置を何となく把握していた。自分が望めば──もっと言うなら口に出すことがなくても──周囲の大人たちがあれこれ先回りして世話を焼いてくれる。
保育園の先生も、友人らの両親も。家で働く家政婦らは、言わずもがなだ。
だからといって、我が儘は勿論言わないし、横暴に振る舞うこともしない。
そういう行為は恥ずべきものだと、両親からも厳しく躾けられている。いずれ人の上に立つ者として、まだ五歳の子どもでも甘やかさない──それが父と母の教育方針だった。
だが眼前の少女──陽菜だけには、いつもつい素の自分をぶつけたくなってしまう。取り繕った外面ではなく、本当の己自身を──
それは彼女が嫌な顔をせず、しなやかに少年を受け止めてくれるからかもしれないし、もっとこっちを気にかけてほしいという幼い独占欲も入り混じっているのかもしれない。
ただしその事実に気がつくには、少年はまだまだ幼過ぎた。
いくら他の子と比べ利口であっても、性差すら曖昧な幼子に、執着心の種類が正確に区別できるわけもない。
「んー……でも昨日はサナちゃんとお約束していたから。それに猫ちゃんのアニメも見たかったんだもん。だから郁哉君のお家にはまた今度行く」
「今日は?」
「駄目。今日も猫ちゃんのアニメ見るんだ」
故に、あっさりと断られて、愕然とした。それも、初めて自分から家へ来るよう誘った相手にだ。
言うなれば、少年にとってこれが初めての挫折だったかもしれない。次の約束も取り付けられず、郁哉はショックのあまり固まった。
自分の誘いを断られるなんて夢にも思わず、そんな事態に生まれて初めて見舞われて、頭の中は真っ白になる。呆然自失、と言っても過言ではない。
しかも目の前の少女は、郁哉の動揺に気づくこともなく、軽やかにスカートを翻して走り出した。
「あ、サナちゃん、おはよう!」
郁哉より優先された相手は、ごく普通の女の子だった。
自分より秀でているものがあるとは思えない。どちらかと言えば、その他大勢に埋没しそうなあまり個性のない少女。
けれど陽菜の中では郁哉よりも大事な友達であるらしい。
──僕は……あの子より下? いや、猫のアニメよりも……?
浅野陽菜は、少々変わっている。他の子どもらのように、親の顔色を窺って郁哉のご機嫌を取ってくれはしない。
自由で媚びず、自分が楽しいと思うことに嘘を吐かない。面白いと感じれば仲良く遊ぶけれど、そうでなければあっという間に興味を失ってしまう。
けれどだからこそ、とても正直だと思った。
──あの子の笑顔は『本物』だ。
年齢よりもずっと敏い郁哉には、媚を売るための作り物の笑顔が見抜けてしまう。
郁哉を通して経営者である父親を見ている場合もあれば、郁哉自身に関心を持ち、近づいてくる場合もある。
適当にあしらうことは苦でもないが、時折疲れてしまうのも事実。
たまには駆け引きや打算がない相手と過ごしたくもなる。そんな時に出会ったのが、浅野陽菜という少女だった。
──もっと、僕を見てくれたらいいのに……
いっそ彼女の関心を独占したい。時間も視線も全部、自分に向けられたら、嬉しいのに。
しかし未だ五歳の郁哉には、どうすれば望むものを得られるのか──そもそも本当の願いは何なのか、明確に理解することは、まだ難しかった。
瞼を押し上げ、視界に映る白い天井に陽菜は瞬いた。
身体が重い。それに寝かされているベッドが、普段自分が使っている感触と違う気がする。
──ここ、どこ……?
見慣れた一人暮らしのワンルームマンションではない。実家で使っていた部屋でもない。記憶にない天井には、何かを吊り下げるためなのかレールやフックのようなものが付いている。
更に視線をさまよわせれば、これまた覚えのない内装が目に入った。
大きな窓に黒いソファーと低いテーブル。テレビとコンパクトなクローゼット。そしてベッドヘッド側の壁に取り付けられた様々なスイッチやコンセント。
動きにくさを覚え目をやると、自身の腕には点滴が繋がれていた。
──病院……? え、何で?
ぼんやりとした頭では思考が纏まらない。いったい何故自分がここにいるのか理解できず、思わず顔をしかめる。
すると陽菜の頭に鋭い痛みが走った。
「……っ」
グワンッと世界が歪み、己の身に何が起こったのか、思い返そうとすると頭の芯がキリキリ痛む。次いで吐き気まで込み上げて、喉奥で呻きが漏れた。
──いや本当に、どういうこと?
陽菜の認識では、昨晩ベッドに入ったところで記憶が途切れている。つまり本来であれば、今朝も自身のマンションで目が覚めなければおかしい。
大学を卒業して、新卒で採用された会社に勤めて一年。まだまだヒヨッコだが、それなりに社会人として日々頑張っていたはずだ。
一人暮らしは大学生の頃からしているものの、やはり働きながらでは大変なことも多い。それでも毎日、楽しく充実していたはずなのに──
「……っあ、会社……! 遅刻しちゃう」
今日は水曜日であることを思い出し、陽菜は飛び起きた。刹那、激しい頭痛に襲われて、そのまま枕に頭を戻す。
「……ぅぐぐ」
──頭が割れそう……風邪でも引いたのかな?
眩暈までしてきて、額に手をやったが至って平熱だ。それに咳やクシャミもない。そもそも風邪如きで病室に寝かされるなんて大袈裟だとも思った。
しかもこの部屋はどう見ても特別室だ。個室にしても広すぎるし、シャワー室まで併設されている。通常、お金持ちや芸能人が入院する際に使うのではないかと陽菜は首を傾げた。
──こんなすごい部屋しか空いてなかったのかなぁ……? 入院代、めちゃくちゃ高そう……お父さんとお母さんったら、私は大部屋で構わなかったのに──
ド庶民の陽菜としては気後れを感じ、瞬きを繰り返すことしかできない。その時。
「陽菜っ、目が覚めたのかっ?」
突然入り口の引き戸が開いたと思えば、一人の男性が飛び込んできた。
艶のあるサラサラの黒髪に、端正な顔立ち。スッキリとした目鼻は日本的でありながら、とても華がある。派手ではないのに、ぐっと目が惹きつけられるのだ。
身長はかなり高く手足も長い。だが貧相な印象は微塵もなく、むしろ姿勢がよくきびきびとした動きのせいか、武道を嗜んでいると言われればしっくりくる佇まいだった。
──だ、誰?
端的に言えば、非常にイケメンだ。モデルやアイドルの中でもなかなかお目にかかれないレベルでスタイルも秀でている。
知り合いに、こんな格好いい男性はいない。自慢じゃないが、生まれてこのかた彼氏いない歴二十三年。年齢と共に更新してきたのだから侮ってもらっては困る。
生身の異性と仕事以外で関わり合いがない陽菜は、大いに狼狽した。
「どこも痛くはないか? 気分は悪くないか? あ、水を飲むなら冷蔵庫に入れてある。お茶やジュースも──」
「え、あの、その」
怒濤の勢いで問いかけられ、流暢に答えられるわけもなく、アワアワと唇を開閉し、忙しく視線を泳がせるので精一杯。それとて、油切れを起こした機械に近いぎこちなさだった。
「……よかった……ちゃんと目が覚めて……」
陽菜の眼前で類稀なる美形が瞳を潤ませた。やや酷薄そうな切れ長の双眸が、切なげに細められる。すると整い過ぎて冷たく見えた表情が、たちまち人間味のあるものへ変わった。
「し、心配させて、ごめんなさい……?」
「いいんだ。無事に僕のところへ帰ってきてくれただけで……ああ、それより看護師さんを呼ばないとな」
彼が誰だかは不明だが、ひとまず涙ぐみながら陽菜の手を握ってくるほど心労をかけたことを謝罪した。
男性の肩からほっと力が抜けているところからも、相当気を揉ませていたらしい。よく現状が呑み込めないながら、陽菜は曖昧に微笑みつつ上体を起こした。
「起き上がって大丈夫なのか?」
「え、ぁ、はい……」
ナースコールを押す男に頷き、改めて彼の顔を確認するが、やはり全く知らない人だ。自分の人生に、これほど容姿に恵まれた人物はいない──と思いかけ、陽菜はハタと気がついた。
──いや、いる……たった一人だけ……
だがその人は絶対にここにいるはずがない相手である。ましてや泣きそうになるほど陽菜を案じて寄り添うわけがない。
そういう意味で、最初から完全に思い浮かべもしなかった。
選択肢の中になかったせいで、欠片も可能性として思いつかなかったけれど──
「はい、だなんて、いったいどうしたんだよ? 随分他人行儀だな」
「いや、あの、だって──」
他人ですからぁ! という絶叫はどうにか呑み下し、陽菜は口角を震わせた。
頭痛が治まってやや思考がクリアになってくると、ベッド脇に腰かけた男と記憶の片隅に存在する面影がようやく重なる。
だがそれでも尚、『まさか』の気持ちが捨てきれなかった。
あの男がこんな風に陽菜に話しかけ、さも大事であると言わんばかりの雰囲気を醸し出すなんておかしい。きっと何らかの罠だ。大がかりなドッキリか、さもなければ全てが夢幻。
おそらくこちらが慌てふためいている様子を楽しんでいるに決まっている。
警戒心を漲らせた陽菜は、ベッドの上でさりげなく彼から距離を取った。
「陽菜……?」
触れられた手が何だかむず痒くて落ち着かない。それは嫌悪感と言っても過言ではなかった。
何故なら、自分にとって彼は鬼門。決して関わらないように生きていこうと、遥か昔に強く心に誓った幼馴染故だ。
言葉を交わすことは勿論、できる限り顔を合わせることもなく。いっそ他人よりも遠く、一切の接点もなくして。
神原郁哉──生まれた時からご近所さんで同級生。保育園、小学校、及び中学校と同じ地元に通った。
そしてその間──正確には小学校に上がった後──、陽菜は彼に散々苛められた。
ものを隠されたり壊されたりするのは日常茶飯事。髪を引っ張られ、足を引っかけられて転ばされたこともある。
睨まれ、すれ違いざまに悪口を言われ、自尊心はズタズタに傷つけられた。
その上最悪なのは、全てが誰の目にも触れない、陰で行われてきたことだ。
大人や他者がいる場面では、郁哉は絵に描いたような優等生で、人望あるクラスの中心人物。勉強もスポーツも、立ち居振る舞いも理想的な『天使のようなお坊ちゃん』。
実際、彼の父親が大手製薬会社の社長のため、郁哉は正真正銘御曹司だった。両親の意向によりごく普通の学校へ通っていたけれど、一般庶民の子どもらとは最初から立ち位置が違っていたのだ。
それ故、教師や他の子どもの保護者らも彼を特別扱いしていたのは否めない。更に、子どもたちは大人の滲ませる空気に敏感だ。郁哉自身、そういった周囲の目を、幼いながら十分理解していたように思う。
彼はいつだって、聡明で聞き分けのいい、物静かな少年だった。──陽菜の前を除いて。
──だけど保育園卒園までは、それなりに仲良くしていたような気がする。もっとも、ほぼ覚えていないので定かじゃないけど……
しかし陽菜の両親が『陽菜と郁哉は仲良し』と間違った認識を今尚抱き続けているのは、それなりに理由があるのではないか。昔の写真を見ても、二人が笑顔で写っているものは多かった。
──まぁ、お父さんが神原君の父親の会社に勤めているから、私たちが不仲だなんて認めたくないよね……
とにかく、陽菜にとって郁哉は避けるべき相手だ。
流石に中学に上がってからは直接的な被害を浴びせられることはなかったが、その分、彼に恋心を抱く女生徒を介して間接的な攻撃を仕掛けてきたことが気に入らない。
女子トイレや校舎裏に呼び出された回数は計り知れず、時に暴言を吐かれ、小突かれもした。教科書や体操服が隠されるのは当たり前。
ひどい時には女子トイレに閉じ込められ、上から水をかけられたこともある。何かの催しでグループを作らねばならない時は、陽菜一人余りものになるのがデフォだった。
神原郁哉と幼馴染というだけで理不尽である。別に親しくも何ともないのに。
毎日のように女子力全開の苛めっ子から『ブスのくせに』『調子にのっている』と言われ続ければ、ゴリゴリと精神が削られたし、当時を思い出すだけで暗澹たる気分になる。
わざわざ教えてくれなくても、自分が特別可愛くないことくらい自覚していたのに。
しかし赤の他人に指摘されれば、思春期の心はズタボロである。元凶となった相手を恨んでも仕方あるまい。
それもこれも全部、郁哉が『彼女を作るつもりはない。大事な人がいるから』とか何とか意味深なことを宣ったせいだ。
断っておくが、『大事な人』が陽菜だなんて彼は一言も言っていない。ただ匂わせただけ。だがだからこそ、あの男の極悪さが知れようというものだ。
大方郁哉は途切れない告白を断るのが面倒になって、適当な嘘を吐いたに違いない。思わせ振りな台詞で心に想う誰かがいると勘違いさせ、彼に熱を上げる少女たちを諦めさせようとしたに決まっている。
そこで便利に利用されたのが陽菜である。
たまたま丁度よく目についたのかもしれないし、迷惑をかけても良心が痛まない道具と見做された可能性もある。どちらにしても、失礼な話だ。
郁哉の言う『大事な人』は、いつしか陽菜であると確定され、彼がそれを否定しなかったことで、事態は一層悪化した。
──神原君のせいで、私の中学生活がどれだけ暗黒だったことか……! そっちにしてみれば、微塵も気にしていなかったでしょうけどね!
かつてのモヤモヤや苛立ちがよみがえり、陽菜の眉間に皺が寄った。再びズキズキと頭が痛み出す。同時に、不快な怒りが胸に湧いた。
──何で、目が覚めて最初に大っ嫌いなコイツと顔を合わせなきゃならないの? 理不尽! 断固抗議したい!
やはり、現状が呑み込めない。もう何年も顔も見なかった郁哉が、どうして病院にいるらしい自分のもとに現れるのやら。整合性が取れていない。悪夢だからか。
「──神原さん。どうされましたか?」
その時、一人の女性が室内に入ってきて、陽菜と視線が合った。
白いパンツとシャツは、見るからに看護師の制服だ。様々な機器や書類をのせたカートを押していることからも、間違いない。彼女の微笑みが、陽菜の毒気を抜いた。
「あら、神原さん目が覚められたんですね。眩暈などは大丈夫ですか?」
「え……はい、平気……です」
──あれ? 今私を神原さんって呼んだ……?
自分に向かって声をかけられたのでつい答えたものの、陽菜は戸惑い瞬いた。
何故彼女はこちらに向かって『神原さん』と呼び掛けたのだろう。陽菜の名字は『浅野』である。一文字も被っていないどころか字数も合っていない。
不可解に感じながらも、初対面の人と話すのは苦手なこともあり、陽菜は疑問を差し挟むタイミングを完全に逸した。
「ちょっと血圧と脈を計らせていただきますね」
「あ……お願いします……」
点滴中の腕とは逆側を手際よく取られ、陽菜はひとまず素直に従う。
束の間の沈黙が落ち、広いはずの病室が狭苦しく感じられた。原因は、至近距離でじっとこちらへ視線を注いでくる男の威圧感に間違いない。
とにかく圧がすごい。眼力で人を殺められるのではないかと思うほどだ。
どうにも居心地が悪く、陽菜は顔を俯けたまま意地でも郁哉の方を見ないよう己を戒めた。
注がれる眼差しで肌が焦げそう。頭部が禿げるのではないかと心配になった。
──うう……何なの? 新手の嫌がらせならもうお腹いっぱいだから、早く出て行ってよ……やっと縁が切れて平和だったのに、いきなり接触してこないでくれないかな……
中学時代の遠回しな苛めに耐えかねた陽菜は、高校は女子高へ進学した。
遠方の学校だったため、通学には結構な時間を要したけれど、やっと平穏な学生生活を手に入れ、郁哉関連の苛めのない解放感たるや、簡単には語り尽くせない。
そこから女子大へ進み地元を離れて、晴れて悪夢の元凶との無関係を勝ち取ったというのに、本当に何がどうしてこうなった。
数年振りにまともに顔を合わせたものの、相変わらずイケメンなのが、また癇に障る。
さりとて、状況が理解できないのに、彼に食って掛かるのも躊躇われた。そんな度胸もない。
結局、陽菜がモダモダしている間に看護師は血圧などを計測し終え、「先生を呼んできますね」と去っていった。残されたのは、当然ながら自分と郁哉の二人だけだ。
気まずい。
そりゃもう、全力で気まずい。突然酸欠になったのでは? と思うほど息苦しさを感じるのは気のせいではあるまい。
──でも、『早くどこか行って』とは、言いにくいしなぁ……
そんな暴言を吐いたら、後々どんな目に遭うか考えるだけで恐ろしい。父も何らかの不利益を被るかもしれない。それを思えば、陽菜は口を閉ざすより他になかった。

ブラウザ上ですぐに電子書籍をお読みいただけます。ビューアアプリのインストールは必要ありません。
- 【通信環境】オンライン
- 【アプリ】必要なし
※ページ遷移するごとに通信が発生します。ご利用の端末のご契約内容をご確認ください。 通信状況がよくない環境では、閲覧が困難な場合があります。予めご了承ください。

アプリに電子書籍をダウンロードすれば、いつでもどこでもお読みいただけます。
- 【通信環境】オフライン OK
- 【アプリ】必要
※ビューアアプリ「book-in-the-box」はMacOS非対応です。 MacOSをお使いの方は、アプリでの閲覧はできません。 ※閲覧については推奨環境をご確認ください。
「book-in-the-box」ダウンロードサイト- オパール文庫
- 書籍詳細