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とろ甘ダーリン ハイスペックな彼氏に夢のような恩返しをされました

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書籍紹介

癒やし系彼氏のえっちな恩返し

超絶美形の男性・海斗と酔った勢いで一夜の過ちを犯した利津。「僕がなんでもお願いを聞いてあげる」さらに関係を迫られ、彼女になったら極上の甘やかし生活が待っていた! 情熱的なキスと愛撫。ドロドロにとろけた秘部を貫かれて、快感でおかしくなってしまいそう……。『恩返ししている』と有り余る財力で贅沢な暮らしをさせてくれる海斗にはある秘密があって――。

ジャンル:
現代
キャラ属性:
社長・セレブ
シチュエーション:
玉の輿・身分差 | 年の差 | 幼馴染・初恋の人 | 甘々・溺愛 | オフィス・職場
登場人物紹介

花屋敷海斗(はなやしきかいと)

若くして周囲からの信頼を得た大企業の御曹司。なぜか利津に恩義を感じていて甘やかしてくれる。誠実で涼しげな顔の美青年。

草川利津(くさかわりつ)

ブライダルサロン勤務のメイクアップアーティスト。コミュニケーション能力は高く、明るくて優しい性格。困っている人を放っておけない善人だけど、人に頼ることができない面もある。

立ち読み

(あー……これなんて言うやつだっけ)
 草川利津は、今の自分が置かれた状況を整理しようとしている最中に、ふとそんな疑問が浮かんだ。子どもの頃、おばあちゃんがよく歌っていた歌の歌詞に出てきたやつだ。
 ちなみにおばあちゃんは、流行りの歌のサビの部分を延々とリピートするという癖があった。イヤーワームが起きやすい体質だったのだろう。
 イヤーワームはディラン効果と呼ばれることもあるのだが、このディランとはかの有名な歌手ボブ・ディラン氏に因んでいる。彼のとある曲が非常にイヤーワームを起こし易い、というのが由来らしい。実に興味深い。
 ともあれ、イヤーワームおばあちゃんのおかげで、利津の脳には、古の歌謡曲のサビの部分のフレーズがたくさんインプットされている。もちろんサビしか知らないので、あまり役には立たない。
(ああ、もう! なんで今、そのイヤーワームを起こさないのよ!)
 今こそ役に立つ時だというのに、脳内に蘇るのは曲だけで歌詞は全く浮かんでこない。
(えーと、アドベンチャー? 違うな。それじゃパーティ組んで魔王倒しに行くやつだ)
 テレレーテッテーテッテレー♪
 冒険と言う単語に触発されたのか、利津の頭の中に勝利のファンファーレが鳴り響く。子どもの頃に大好きだったRPGだ。付け加えるならシリーズの中では七作目が一番お気に入りだった。
 テーテーテテー♪ テーテテーテーテーテ♪ テーテーテーテテー♪
 素晴らしい。この音楽を思い浮かべるだけで気分が上がるなんて、パブロフの犬のようではないか。幼い頃の記憶が人間の脳に与える影響力の大きさを物語る実例である。
 ちなみに利津は、そのゲームに出てくるダチョウみたいなモフモフした乗り物が好きだった。種類によって山を登ったり、海を渡ったりできる優れたやつだ。
 可愛くて有能なダチョウもどきに思いを馳せたところで、脱線している自分に気がつき、いかんいかんと軌道修正を試みる。
(そうじゃないでしょ、利津。この状況にピッタリの単語。なんて言うんだった? 英語じゃなくて、なんかもっとこう、くねくねっとした感じの単語よ。えーとえーと……)
 多分最初に「ア」がつくはずだ。だが頭の中に浮かんでくるのは先ほどのアドベンチャーばかりだ。違う、違うんだ、今はお前じゃない。
 二十代も後半に差し掛かると記憶力というものは低下の一途を辿るらしい。
 眉間に皺を寄せながら利津は腕を組もうと身動ぎをした。この時、できるだけそーっと動くのを忘れなかった。隣で眠るこの人を起こすのはまだ早い。
 だが努力虚しく、ギシリとベッドの軋む音が立ってしまい、ギクリとなった。
 利津はチラリと横眼でその人物を見る。
 彼はミケランジェロのピエタよろしく、白いシーツの上で静かに眠っている。深い眠りなのか、利津の身動ぎにも目を覚ます気配はなかった。
 ホッとしつつ、これ幸いと観察を試みる。最初に彼を見た時には狼狽して、ちゃんと見ていなかったのだ。
(……めっちゃイケメン……)
 美しい顔、とはこれを言うのだろう。全てのパーツがあるべき場所にあるべき形で配置されている、そういう造作だ。
 男性とは思えないほど滑らかな肌に、通った鼻筋、まるで整えたかのように形のよい眉毛は凜々しく、伏せた睫毛は信じられないほど長い。それでいて顔の輪郭は非常に男性的で、首から下も程良く筋肉の付いた均整の取れた身体つきだ。何故首から下までそんなことが分かるのかと言えば、この人が全裸であるからだ。
 掛布団をそっと捲って確認したのだから間違いない。それはもう筋肉の付き具合までよく分かった。全裸だけに。
 そしてここで特筆すべきは、利津もまた全裸であるということである。
 全裸の男女が同衾! というこの状況下で「何もございませんでした★」なんて戯言を言うほど利津は厚顔無恥でもなければ子どもでもない。自分の下半身を苛む重怠さを鑑みても、有罪は確実であろう。
 ──そう、有罪。
 何故男女の営み程度でそのような重々しい単語が飛び出るのか。
 それはお恥ずかしいことに、利津にはその記憶がまるっとないからである。ついでに言えば、スヤスヤ眠るこのスリーピングビューティーにもまるっと見覚えがない。本当に申し訳ないがどなた様でいらっしゃるのだろう。
(あ──ほんと、やっちまったなぁ……)
 利津は遠い目になった。昨日の記憶を掘り返してみる。ヤケ酒呷ってさんざん友人にくだを巻いた挙句、その友人と別れた後に、幼馴染みの経営するバーに行ったところまでは覚えている。彼は、おそらくそこで知り合った人なのだと推測された。
 つまりこのスリーピングビューティーは、利津に絡まれたか、酔い潰れた利津を介抱しようとして襲われたかの二択である。被害者確定というわけだ。
 ここで自分が被害者、という結論に至らないのは、利津が幼い頃から合気道を嗜んでおり、指導者の資格のある有段者である故だ。たとえ泥酔していようが、無体を働こうとされれば、身体が勝手に反応して相手を伸してしまう程度には手練れなのである。
(パーティドラッグを使われた、とかいう話もあり得るけど、そんな感じでもなさそうだしなぁ)
 ドラッグ使用後にあると言われる頭痛や不安感はない。
 一応、海外留学経験があるので、その手の危険も考慮して行動しているつもりだ。
 今回も、もしそんなヤバそうな相手だったら、幼馴染みであるバーのオーナーがちゃんと遠ざけてくれているはずだ。
 それに見るからに、この男性は育ちが良さそうだ。
 髪や肌を見るだけでも、常日頃からケアされて整えられたものだと分かる。まあ、これを見て取れるのは、メイクアップアーティストという利津の職業柄もあるだろうが。
 加えて、明らかに事後であるのに、身体の皮膚の上にセックスに伴う体液の痕跡はない。恐らく彼が風呂に入れてくれたか、清拭してくれたのだろう。
 おまけにベッドから落ちないようにとの配慮か、利津を抱えるような体勢で眠ってくれているのだ。眠っている時まで紳士だなんて! いい人過ぎる。
(あー、こんな善良そうな人相手にワンナイトスタンドとか……)
 人様にご迷惑をおかけして何をやってるんだ、自分。
(それにしてもワンナイトスタンドなんて、ヤバイ、人生初じゃないの、わたしったら)
 しでかした後だというのに、妙にしみじみとしてしまう。身持ちが固いことを自負してきたつもりだが、人間、自棄になると思い切りよくルールを破ってしまうものらしい。
 ワンナイトラブという単語もあるが、実はこれは和製英語で、一夜限りのメイクラブはワンナイトスタンドと言う。それを教えてくれたのは、メイクの勉強のためにNYに留学した時に、仲良くなったテイトだった。利津のたどたどしい英語にも、笑ったりせずちゃんと答えてくれた優しい人だ。
(そういえば、テイトの彼も、ワンナイトスタンドからのステディだって言ってたな)
 ゲイのテイトは、その彼とパートナーになって四年だが、未だにラブラブだ。
 それに比べて自分は、と利津はつい皮肉っぽい笑みを零す。
 二年付き合った彼が二股をしていたと発覚し、昨日振られましたけれども何か。
 怒り爆発して、相手の顔にビンタを食らわせ、「Kiss my ass!(くたばれクソ野郎!)」ととびっきり汚いスラングで捨て台詞を吐いてやったのだが、クソ野郎に二十代の貴重な二年の歳月を捧げてしまった腹立ちはそう簡単に収まるはずもない。
 親友を呼び出して自棄酒をかっ食らい、泥酔した結果の、ワンナイトスタンド。
 トラブルメーカーとはまさに自分のことだろう。
(わたし、人として最低じゃないですか、奥さん……)
 額を押さえながら心の中の奥さんに呼びかけたが、無論応える声はない。
 こんなだから彼──いや元彼にも二股をかけられてしまうのだろうかと自嘲めいた思考がよぎったが、そんなわけあるかいと思い直す。あのクソ野郎の二股に、自分に非などあるわけがない。他の女と乳繰り合いたきゃ、こっちを切ってからやればよろしい。それならば落ち込みはしたかもしれないが、文句なんぞありはしないのだ。
 思い出したらまた腹が立ってきた。
 ビンタじゃなくて天地投げくらい食らわせてやれば良かった。
 とはいえ、それは利津の事情でしかなく、目の前の美しい人には関係がない話である。
 こうなったら、この美しい男性の目が覚め次第、土下座して謝るしかなかろう。
 よし、と一度目を閉じて首肯し、利津はそっとベッドから出ようとした。土下座をするにも全裸では恰好がつかないだろうから、まずは身支度を整えようと考えたのだ。
 だがその次の瞬間、ふわりと長い腕が伸びてきて、利津のウエストに絡みついた。
「おはよう。どこに行くの、利津」
「ふ、ぎ、ぇえっ!?」
 寝起きだというのに艶やかな低音で囁かれ、仰天した利津は奇怪な叫び声をあげてしまう。温かい吐息のかかった耳を押さえて、首を捻って背後を振り返った。案の定、目が覚めたらしいスリーピングビューティーが、柔らかな微笑を湛えてこちらを見ていた。
「アッ……ア、ア……」
 狼狽えるあまり、壊れたラジオのようにアという音を繰り返す利津に、スリーピングビューティーはコテンと小首を傾げる。
「ア?」
 ぐわ、と利津は心の中で呻き声をあげた。まるで仔犬のような無垢な仕草に、シュウシュウと音を立てて、草川利津の中の邪悪が浄化されていく。
(なんだこの美形。本当に完璧なまでに美しいだけじゃなくて、清らかすぎて浄化作用まである……)
 天使か。
 穢れなき天使に浄化されたついでに、濁っていた脳も活性化したようだ。
 先ほどいくら考えても思い出せなかった単語が、ひょいと頭の中に浮かび上がる。
「ア……アヴァンチュール……」
 そうだ。アドベンチャーじゃない。アヴァンチュールだ。冒険、転じて危険な火遊びを表すフランス語──これが言いたかった。
 意味不明な利津の発言に、スリーピングビューティー改め穢れなき天使は、キョトンとした顔をして、ふむ、と一つ頷いてみせる。
「なるほど?」
 なるほどってなんだ。
 その麗しく鷹揚な微笑みに、利津は引き攣った笑顔を返したのだった。

     * * *

 ちゃんと目を覚ました状態で見てみると、利津が眠っていたこの部屋はどうやらホテルの一室のようだ。しかもブティックホテルやビジネスホテルなどではなく、一流と言われるようなホテルの、それもかなり良いお部屋と思われる。二十畳はありそうな広さの寝室に、キングサイズのベッド、サイドテーブルやソファ、インテリアに至るまで、オシャレを通り越して芸術的ですらある物ばかりが取り揃えてある。
 角部屋なのか、部屋の三面は全てガラス張りで、眼下に都内の景色を一望できる。ブラインドはリモコンで操作できるようで、彼がほんのりと朝陽を感じられる程度にしてくれていた。寝室の奥にはリビングのような部屋が続き、その奥には大理石でできたゴージャスなバスルームと、システムキッチンまである。
 一泊おいくら万円の部屋なのかと蒼褪める利津に、天使なイケメンがニコリと微笑んでシャワーを浴びてくるように勧めてくれた。
「昨日、お風呂に入れてあげたかったんだけど、気持ち良さそうに眠ってしまったから、起こすのが可哀想で。一応身体は拭いたんだけど」
 と優しく言われて、なんだか拝みたくなってしまった。やっぱり清拭してくれていたらしい。本当に天使か。いい人そうだという利津の第一印象は正しかったようだ。
 どうしようかと迷ったが、さすがにシャワーは浴びたかったのでお言葉に甘えることにした。現在午前六時前。今日も仕事がある利津は、家に帰って身支度している暇はない。
 手早くシャワーを済ませ、アメニティを使って肌を整えた後、軽くメイクを施しておく。職業柄、バッグには常にフルメイクできる道具が装備されている。
 服は昨日着ていた物しかなく、脱ぎ捨てられていたせいでしわくちゃだったが、こればかりはどうしようもない。どうせ職場であるブライダルサロンに着けば、制服に着替えるのだから構わないだろう。
 準備を整えてバスルームを出ると、彼がルームサービスで朝食を注文したらしく、ソファの前のテーブルに美しい洋食が湯気を立てていた。
「えっ!? 美味しそう!?」
「ふふ、それは良かった。嫌いなものはない?」
「あっ、好き嫌いはありません!」
「それは素晴らしい。温かい内に食べていて。僕もシャワーを浴びてくる」
 爽やかに微笑んでバスルームに消えた彼の背中を呆然と見ながら、利津はストンとソファに座り込む。目の前に置かれた朝食は、カリカリのベーコンが添えられたスクランブルエッグに、ベビーリーフの彩りが美しいサラダ、蜂蜜をかけたカマンベールチーズに、フルーツがたっぷり盛られたヨーグルト、焼き立てでバターの香るパリパリのクロワッサンと、かなり豪華なアメリカンブレックファーストである。
「……あれ、これ、なんの罠……?」
 思わずそんな疑念が口をついて出た。仰天するような高級ホテルで、天使のようなイケメンが、びっくりするほど甘やかしてくれる。記憶がなくなるまで泥酔した挙句、見知らぬ男とイタしてしまった朝としては、危機感がなさすぎないか。
「もしかして、まだ夢を見てるのかな……?」
 むに、と自分のほっぺたを抓ってみたが、ちゃんと痛くて首を捻った。
 どうやら現実のようだ。
「あ、もしかして、このホテル代と朝食代、私が払うパターンか……?」
 それなら納得がいく。だとすれば、天使な彼はジゴロか、今流行りのレンタル彼氏とかいうやつか。
「うーむ……ホスト? それともレンタル彼氏……?」
 いくら泥酔していたとはいえ、自分がホストを相手にしてしまったり、彼氏をレンタルするなんてことをするとは思えない。元彼のクソっぷりに辟易し、そんな男に二年も捧げた自分のダメっぷりにも情けなくなった夜だ。男なんぞもう当分要らないという結論に達していたはずなのだから。
 いろいろ疑問が浮かんだが、なにしろ夕べは自棄酒だった。とんでもないことをしでかしていてもおかしくはない。
(まあ、それなら仕方ないよね)
 このホテル代もこの食事代も、きっと目が飛び出るくらいの値段なのだろうが、貯金で払えない金額ではない。プチ旅行にでも来たと腹を括るしかなかろう。
(それなら、この朝食だって食べないと損よね)
 利津はムン、と気合を入れてフォークを手に取ると、うっすらと上品な脂の乗り方をしたベーコンをグサリと刺したのだった。

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