潔癖な理系御曹司だと思ったら、夜はケダモノでした。

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- 本販売日:
- 2018/01/09
- 電子書籍販売日:
- 2018/01/09
- ISBN:
- 978-4-8296-8327-9
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エリート紳士だけど、絶倫!
一華の恋人は優しく真面目なエリート御曹司! いつも紳士的で素敵だけど、キスさえしてくれないのは誠実だから? 結婚が間近に迫ったある夜、「セックスしてみませんか?」直球のお誘いが! はじめての口づけは次第に激しくなり、からみ合うようにベッドへ。執拗な愛撫で身体を蕩かされて、ついに初体験。幸せに微睡んでいると、硬い熱棒がまた動き始めて――。

真嶋正(まじまただし)
総合海運輸送グループの副社長。生真面目で誠実。恋愛については考えすぎてしまい、暴走することも。超絶(エクストリーム)童貞。

早乙女一華(さおとめいちか)
銀行頭取の娘。おっとりした性格のお嬢様。正とはお見合いで知り合った。清すぎる交際期間で正に惹かれている。
「あ、あの、正さん……?」
さすがに不思議に思って呼び掛けると、彼はリビングのソファに無造作に鞄を置いた。が、彼の歩みはそこでとまらない。リビングの奥にあるふたつのドアのうちのひとつに手をかける。
「今回の反省を踏まえて、僕なりに打開策を考えてみました」
「は、はい……」
なにか大切なことを彼が言おうとしている。これは聞かなくてはならない。しかし、話しながら彼が開けたドアは寝室。
一華を寝室に引き込んだ正は、ベッドを前にして、至極真面目な表情で振り向いた。
「今回の失敗は、主体側であった僕が興奮しすぎてしまったことが原因だと考えられます。一華さんが魅力的な女性だからとはいえ、やはり鬼畜でした。本当に申し訳ない。僕は未熟者ですが、同じ失敗は二度としません。もう、あなたを泣かせたりはしない。だから、今日は一華さんが僕の上に乗ってみてください。騎乗位は女性上位の体位で、女性が快感を得やすいそうです」
「えっ? き、きじょ……?」
素で聞き返した一華に、正はハッとしたように手を離し、自分のジャケットを脱いでネクタイを抜き取った。
「二美さんから、一華さんが僕の目が怖いと仰っていたと聞きました。隠します!」
「へっ?」
完全にフリーズしている一華の目の前で、彼はネクタイを使って自分で自分に目隠しをすると、ベッドのど真ん中にドーンと仰向けになった。
「さぁ、一華さん! 僕の上に乗ってください!」
なにがどうしてこうなったのか──誰か教えてほしい。
誠実で真面目で品行方正な紳士だったはずの婚約者が、ネクタイで目隠しをしてベッドに横になり、「さぁ、僕の上に乗ってください!」だなんて、馬鹿なことを言っているのだ。どこからどう見ても立派な変態さんである。
「あ、あの……正さん……?」
クラクラしながら頭を抱えていると、仰向けになったままの正が、一華に向かって手を伸ばしてきた。
「僕に触れられるのがいやではなかったと言ってもらえて、嬉しかったです。一華さんの中に、まだその気持ちがあるなら……僕にチャンスをください……」
ドクンと心臓に一気に熱いものが流れ込んでくる。
この人は一華に許されたいのだ。泣かせてしまったと後悔してくれている。
実家にまで迎えに来て、二美に怒鳴られても黙って受け入れ、祖父や母親にも詫びようとして、今も怖がらせまいと、こんな目隠しまでして……
それもこれも全部、一華に許されたいがため。それは、少しは一華に気持ちがあるからではないのか?
(正さん……)
愚直とも言える、彼の不器用な誠実さが愛おしい。
そうだ。自分も初めてだったが、彼も初めてだった。お互い経験もない初めて同士で、いきなりうまくいくはずがないのだ。この躓きは、絆を深めていけば乗り越えられるものかもしれない。この人と乗り越えていきたい。夫婦になるのだから。
一華は正の手をそっと握った。
「あの……わたしは、どうすれば……?」
恐る恐る尋ねると、正が手を握り返してくれた。
「まずはハグからというのはどうでしょうか。昨日はいきなりキスからはじめてしまいましたから……」
あえて昨日とは違う手順でしてみようということなのだろう。名案かもしれない。
一華はそろそろとベッドに上がると、遠慮がちに正の上に重なった。跨ぐなんてできなくて、ほんのちょっと正の胸の上に頭を乗せただけだけれど、それでも緊張する。
「あ、あの、重くありませんか?」
「まったく。むしろ、もっと乗ってください。そのほうが安定します」
「そ、そうですか? では失礼します……」
はしたない気がしたけれど、どうせ正には見えないのだ。一華は意を決して、正の腰を跨いで乗っかり、ぴとっと彼の胸に頭を置いてみる。すると、正が包むように一華の背中に手を回してきた。
「ありがとうございます」
どうしてお礼を言われるのかがわからずに小さく顔を上げると、視界に入った正の口元が少し柔らかく弧を描いていた。
(正さんが笑ってる?)
彼はニコニコと愛想よく笑うタイプではないから、笑ったところなど今まで見たこともない。目が釘付けになっていると、ゆっくりと髪を梳かれた。
「チャンスをありがとうございます。でも、無理しないでくださいね。やめたいときはやめてください。なにも言わなくてもいいです。右手ももちろん挙げなくていいです。見えませんからね。見えない僕ができることは、せいぜい両手を動かして、こうやって触るくらいです。いやなときは撥ね除けてもらって構いません。ご希望があれば言ってください。全部、一華さんのお望みのままにします」
言われて一華はゆっくりと目を閉じた。正の心臓の音が聞こえる。
トク、トク、トク、トク──……規則的なそれは、かなり速い。もしかすると、一華の心音より速いかもしれない。
緊張なんかしないと思っていたのに、この人は今、緊張しているのか。
「じゃあ、ずっとこのままでもいいんですか?」
この心音がどう変わるのかが知りたくて、そんなことを聞いてみる。
「構いません。ずっとこのままということは、一華さんが側にいてくれるわけですから」
彼の心音は変わらない。それどころかむしろ速くなっていく。彼は一華の頬を手探りで撫でると、また口元を柔らかくした。
「一華さんとこうしていられるだけでも、僕は幸せです。このままがいいですか?」
彼の言葉は誠実なのに、ツキンと胸が痛くなる。
昨日はあんなに何度も求めてくれたのに、もうしてくれないのだろうか。昨日たくさんしたから、もう満足してしまったのだろうか? 飽きてしまったのだろうか?
そう思うと、自分でもなぜだかわからないが、無性に胸が痛む。
たくさんされて戸惑ったり、嬉しがったり、自分でも矛盾していると思う。けれどもそれが、今の自分なのだ。この人に求められたい。
一華は少し上体を起こすと、正の唇に触れるだけのキスをした。
「いや……。キス、して…………触ってほしいです…………」
正は一瞬だけ身体を硬くしたが、すぐに頷いてくれた。
「はい、喜んで。僕はあなたのものですから」
そんなことを言われるとは思っていなかっただけに、ちょっと嬉しい。一華はよじよじと正の口元に近付いて、正の唇を少し吸った。
(わたし、すごいことをしてしまっているような)
でも、やめたくない。正の唇は薄いけれど、あたたかくて柔らかい。ちゅっちゅっと、合わせていると、ゆっくりと彼の口が開いて下唇を挟み込むように食まれる。
ちぅ……と、濡れた音がして、いつの間にか口の中に彼の舌が入っていた。
「んっ……は……」
口蓋を舐められて、思わず甘い声が漏れる。そんな自分の声に驚きもするのに、舌を搦め捕るように吸われるのが、気持ちよくてやめられない。正が自分の希望に応えてくれることが嬉しいのだ。
くちゅり、くちゅり……
だんだんとリップ音が激しくなって、口内を掻き回される。彼は一華の頬にあった手をするりと落とし、肩から背中にかけてを触ってきた。大きな彼の両手が、背中を何度も上下する。
くっついている胸やお腹が、さすられた背中が、搦め捕られた舌が──熱い。
(正さん、正さん……)
一華がキスに夢中になっていると、ワンピースの裾がたくし上げられて、中に正の手が入ってきた。
「っ!」
ショーツに包まれたお尻を両手で撫でられて、ピクッと肩が揺れる。そのことを敏感に察知した正が薄く唇を離した。
「いやでしたか?」
正は一華がいやがっていないかを気にしているようだ。しかし、一華が考えていたのは違うこと。
(よ、よかった……。正さんが目隠ししてくれてて……)
今、自分はたぶん、変な顔をしている。キスして、触ってもらえることが嬉しいのだ。すごくドキドキする。
「ううん……いやじゃないです」
一華は正の問いにようやく答えると、自分から彼の唇を吸った。
彼は一華に許されたくてたまらない哀れな僕だ。翻弄されるばかりだった昨日はなかった主導権が、今は自分にある。
怖くなったら、正の上から飛び退いて、部屋を出ればいい。「許さない」と言えばいい。でも受け入れることも許すこともできる。そして今は、受け入れたくて、許したい。
(だって、この人が好きなんだもの)
舌が絡んでまたキスが深くなる。それと同時に、正の両の指先が一華の秘処を這い回りはじめた。ショーツのクロッチが優しく上下にさすられる。それだけで、明らかにキスとは違う音が、くちょっと聞こえた。
「濡れてる」
キスの合間の囁きには気付かない振りをして、ギュッと彼の胸元のシャツを握りしめる。恥ずかしいけれど、やめてほしくない。布越しに蕾を捕えてゆっくりとさすってもらうと、その甘い刺激に鼻から抜けるような喘ぎが漏れてしまう。
「ぁ……んっ……」
「一華さん、可愛い」
ぽつりと言われて、ますます顔が火照っていく。正には見えないとわかりながらも、一華は彼の胸に顔を埋めた。
お見合いのときにも言われたことがある。でもそれは、「こんな可愛いお嬢さんとお会いできて嬉しい」というような、社交辞令的なものだった。一華に向けての言葉ではなく、祖父や両親に向けてのものだったのだ。でも今は、明らかに一華本人に向けられている。
「な、なんです……? 急に……」
「可愛いから、可愛いと言いました。正直な感想です」
「見えないのに」
「そうですが、声は聞こえます。可愛い」
「……」
正は一華の頭のてっぺんを頬でスリスリと撫でて、柔らかな声で囁いてきた。
「もっと聞かせてください」
濡れそぼった蜜口に、浅く指が一本沈められる。身体が奥から一気に目覚めて、一華をぶるっと震わせた。
「ぁ……」
「いやじゃないですか?」
くちょん、くちゅっ……と艶めいた音がゆったりと響く。いつの間にこんなに濡れていたんだろう? 身体の中をまさぐられるだけで、まだ触られていないところまでジンジンしてくるみたいだ。ピンと立った乳首がブラジャーに擦れて、余計に感じてしまう。
一華は正の胸に縋り付いて頷いた。
「へぃき……」
「指を増やします。辛くなったら言ってくださいね」
そう言った正は、一華の中に二本目の指を挿れてきた。昨日もあった内側から押し広げられる感覚。でもそれ以上に、お腹の奥がジュクジュクと疼いて一華を甘い声で啼かせた。
「あぁ……う……んく……ぅ……」
「とろとろですね。気持ちいいですか?」
「は、はい……んぅ……」
指を浅く出し挿れされるたび、自分の中に入ってきた物を確かめるように、肉襞が淫らに蠢く。その動きは一華の意思ではとめられない。
ワンピースの中で繰り広げられる秘め事は誰にも見えやしないのに、彼の指先で中まで曝かれていくのがわかる。
(恥ずかしいよ……)

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