新しくカートに入れた電子書籍 すべて見る
カートを見る 合計金額(税込)0円
新しくカートに入れた電子書籍 すべて見る
カートを見る 合計金額(税込)0円

ヤンデレ社長の甘い策略にハマって陥落寸前です

本を購入

本価格:792(税込)

カートに追加しました
電子書籍を購入

電子書籍価格:792円(税込)

獲得ポイント:7pt
電子書籍を閲覧するにはビューアアプリ「book-in-the-box」(SHARP)をインストールしてください。
書籍紹介

ストーカーちっくな社長×結婚願望ゼロな女子
溺愛攻防戦!

学生時代に苦手だった大智とお見合いした翠。
すっかり美男子に成長した彼は優しく紳士的。
「好きで仕方ないんだ」
ひたむきに思いをぶつけられれば、つい絆されそうに――。
身体中にキスで所有の印を刻む、執拗な愛撫。
「翠をめちゃくちゃにしたい」
熱杭を埋められ、快感に喘いで。
彼と一緒にいることが幸せになりつつあるけれど、
気付けば彼の策略に全面包囲されていて!?

ジャンル:
現代
キャラ属性:
社長・セレブ
シチュエーション:
幼馴染・初恋の人 | 甘々・溺愛 | オフィス・職場 | 船上・旅もの | 野外
登場人物紹介

灰本大智(はいもとだいち)

IT関連企業の代表取締役社長。翠とは小学校時代の同級生で、ガキ大将だった。翠とのお見合いを父に頼んだ。彼女のことをすっかり忘れている……?

芥川翠(あくたがわすい)

社長秘書。過去に痴漢被害に遭っていたため、男性嫌悪症。社長に自分の息子と見合いするよう頼まれ、渋々ながら承知した。しかし、そこに現れたのは!?

立ち読み

 飲みニケーションなんてクソ食らえだと、芥川翠は心から思っている。飲むなら気心の知れた友人と、好きなお酒を自分のペースで飲んでいたい、と。
 桜が満開となった四月上旬。新入社員や人事異動による新顔の歓迎会、取引先との懇親会がピークとなり、今週はあちこちの部署で宴会が開かれている。
 木曜日の今日は、翠が所属する人事部秘書課の歓迎会だ。……ものすごく帰りたい。
 秘書課の上司は年配の男性役員という権力者集団なので、酒が入ると彼らの自慢話や説教が始まるか、若い頃の武勇伝が披露される。上司によってはパワハラとセクハラありの魔窟が爆誕だ。つらすぎる。
 今夜も選任されたばかりの取締役に絡まれた。
「芥川さんってさ、やっぱり芥川龍之介の子孫なの?」
 この質問、件の文豪が国語の教科書に載る年頃から、耳にタコができるほど聞かされた。
 翠は左目尻にある泣きぼくろを無意識に指でいじる。
「いいえ、名字が同じだけです」
「ええー、残念だねぇ!」
 ……自分的にはちっとも残念ではない。それどころか名字でからかわれることが多すぎて、早く改姓したくてたまらなかった。
 とのことは正直に告げたりせず、「ほんと、残念です」と笑顔で相槌を打っておく。
「でもさ、芥川作品は詳しいんじゃないの? どんな作品が好き?」
「そうですね、私は短編の『奉教人の死』が好きです」
「『羅生門』とか『蜘蛛の糸』じゃないの?」
 ──ド定番ですね!
「……それらの作品も素晴らしいのですが、私は切支丹ものと呼ばれる作品が好きで、『奉教人の死』以外ですと『おしの』は読みやすくておすすめですよ」
「ふぅーん」
 いかにも興味ないといった反応に、翠は肩を竦めたい気分で適当に話を続ける。しばらくすると相手の取締役がお手洗いに立ったので、大きく息を吐いた。
 すると瓶ビールとグラスを持った直属の上司が、空いた隣の席に腰を下ろす。
「お疲れさん」
 人好きのする表情でビール瓶の口を向けてきたため、慌てて自分のグラスに残っていたビールを飲み干して注いでもらう。すぐに相手のグラスにもビールを注いだ。
「社長もお疲れ様です」
 日本エレンジア株式会社の代表取締役である、灰本智だ。
 大手電子部品、電子機器メーカーである日本エレンジア株式会社は、創業家が経営から手を引き、社長の椅子は世襲ではなく出世コースの頂点となった。灰本はその熾烈な椅子取りゲームを制した初代社長でもある。
 やり手のエリートサラリーマンで出世街道を驀進した人であるが、彼の見た目や語り口は実に温厚だ。人の油断を誘いやすい話術を得意とするせいか、あまり腹黒さを感じさせない紳士である。翠が社長づき秘書になってからというもの、灰本が声を荒らげたり部下に八つ当たりするところなど一度も見たことはない。
「また今年も同じ質問をされたね。日本人の誰もが知る有名人と同じ名字って、意外と面倒なものだねぇ」
 上司は当たり障りのない話を続けた後、やや声をひそめて言いにくそうに話題を変えた。
「すまないが、明後日の土曜日って君の予定は空いてる?」
「はい。大丈夫です」
 急な仕事でも入ったのかと背筋を伸ばす。会社はカレンダー通りの出勤でも、役員となれば休日に接待などが入る場合も少なくない。
 スケジュールは秘書がきっちり管理しているものの、会社を通さずに灰本へ直接連絡して予定を押さえる人もいた。たいていは取引先や懇意にしている企業の重役だが、官僚や政治家といった場合もある。
 なので翠は、秘書が必要な仕事だと予想したのだが──
「じゃあ、お見合いをしてみない?」
 目が点になった。
「あの、私が、ですよね?」
「そう。芥川さんが、私の息子と」
 強調するように文節で区切る話し方に、酒の席での冗談ではないと悟った翠は目まいを感じた。
 ──上司、しかも代表取締役の令息とお見合いだとぉ……!
 叫び出したいのを根性で押し留めて、崩れそうな業務用ポーカーフェイスを必死にたもった。
「えぇっと、なぜ私なのか伺ってもよろしいでしょうか?」
「息子が君に会いたいと言ってきてね」
「え、私の知っている方ですか?」
「ううん、私が家で会社の話をしていたとき、芥川さんのことを話す機会があってね。それでお見合いをしたいと言い出したんだ」
「はあ……」
 灰本が自分のことをどのように話していたか気になるが、会ったこともない人間とお見合いをしたいだなんて、思い込みの激しい男だろうか。……嫌だなぁ。
「でも、同じ秘書なら私よりも若くて可愛い子が秘書課にいますし、末森さんなどはお見合いを喜ぶと思いますよ」
 灰本の秘書は翠一人だが、有休を取ったり病欠などの際は、事務をメインとする末森が担当する。彼女はいかにも守ってあげたいタイプの可愛らしい女性で、二十四歳と若い。
 灰本の息子が何歳かは知らないが、あと一ヶ月もすれば二十九歳となる自分より需要があると思う。
 しかし灰本は心情を悟らせない微笑を浮かべた。
「私は落ち着きのない若い女性というのは、どうもがっついているようで苦手でねぇ。息子に頼まれても断るかな」
「……そうですか」
「その点、芥川さんの為人なら悪くない」
「まあ、ありがとうございます」
 ほほほ、とアルカイックスマイルを浮かべる翠は、そっと末森が座る方を盗み見る。彼女は役員の一人にべったりとくっついているうえ、翠たちがいる席から離れているので、話し声は届いていないだろう。
「でも社長、私は一般家庭の生まれというか、良家の子女でもありませんし。ご子息とは釣り合わないような気がします」
「私の家もごく普通のサラリーマン家庭だよ」
 鷹揚に笑う灰本に対して、翠は納得しがたい気持ちを飲み込んだ。
 確かに彼は新卒で日本エレンジアに入社し、代表取締役に出世したサラリーマンではある。
 しかし大手企業の社長という時点で、一般人の翠にしてみれば雲の上の人だ。そういう相手と家族になるなんて、絶対ご免のお断り案件でしかない。
 ──だいたい、この時代に上司からお見合いの紹介、しかも相手は社長の息子ってありえないでしょ。これはセクハラに相当しますが、今は令和ですよ? 経営者向けセクハラ対策研修会の予約を取りましょうか?
 そう言ってやりたいけれど、相手が代表取締役なのでもちろん言わない。
「でも、いきなりなお話なので……」
「釣書なんてものは用意しない気楽なものなんだ。会ってみるだけでもどうだい?」
 ──嫌です。
 と、即答できない社畜の悲しさよ。
「あの、お見合いは社長やご家族の方も同席されるのですか?」
「まさか。二人でお茶を飲むだけだよ」
 ということは社長の息子へ、「ごめんなさい」とお断りすれば済む話かもしれない。さすがに息子を振ったからといって、職場での立場が悪くなることはないだろう……そう信じたい。
「……まあ、会うだけなら」
「そうか! じゃあ場所や時間は明日中に伝えるよ」
 はい、と渋々頷いた翠の表情は、いつもの冷静さやポーカーフェイスが完全に剥げ落ちている。
 上司の方もそれに気づいているようだが、見事にスルーされた。
 此畜生め。

     ◇     ◇     ◇

 翌々日の土曜日、お見合い当日。灰本に指定された午後三時より三十分以上も早く、翠はお見合いの場となるホテルに着いていた。
 別にお見合いを楽しみにしすぎたのが理由ではない。断じてない。
 ものすごく行きたくなくて、このままでは家から出るのが遅れて遅刻すると思ったのだ。あるいは家から一歩も出ずに引きこもり、お見合いを無視することになると。
 さすがにそれは約束した以上、避けたい。そして上司の顔に泥を塗るわけにはいかない。そこで早めに家を出た次第である。
 どんよりとした表情の翠は、ホテルの高層階にあるバーラウンジへ直通エレベーターで向かった。お店で灰本の名前を出せば、ウェイターが窓際の見晴らしのいい席に案内してくれる。
 だがしかし、そこがカップルシートと呼ばれるソファ席だったため、翠はすぐさま「あっちの席に変えてくださいっ」と、同じ窓側にあるテーブル席を指さした。
 ウェイターは翠の血走った目に恐れをなしたのか、すぐにテーブル席へ案内してくれた。ありがとう。
 水を飲みながら、ぼけーっと窓の外を眺めておく。夜ならば夜景を楽しめるだろうが、曇りなので見慣れた都会の風景にはなんの感慨も抱かない。しかも東京生まれの東京育ちなので、そのうち飽きてきた。
 ぐるりとラウンジ内を見回してみれば、アフタヌーンティを楽しんでいる女性客がちらほらと散見される。
 ──いいなぁ。私もアフタヌーンティを注文したい。
 しかしお見合い相手が来る前に、一人でお茶を楽しむのはマナー違反だろう。
 お見合い後に頼むという手もあるが、この話をお断りする以上、ここからすぐに立ち去るべきだ。
 ──この後、どこかへ遊びに行こうかな。
 翠は自分の服装を見下ろした。お見合いの場にラグジュアリーホテルのラウンジを指定されたため、オフホワイトのシフォンブラウスに、春らしいパステルカラーの花柄フレアスカートを合わせてみた。
 髪も服に合わせて、ふわふわと可愛らしく巻いてアレンジしている。
 ちょっと若作りかな、とほんの少し後悔しているけれど、まだ二十代だからセーフだと思う。
 お見合いには消極的だが、休みぐらいおしゃれをして出かけたい。
 ──やっぱりお見合いが終わったら気晴らしに出かけよう。特に行きたいところなんてないけど、ショッピングとか。
 そこで翠の唇から細くて長いため息が漏れる。
 適齢期の男性がいない部署に在籍しているうえ、もうアラサーなのだから、これもいい機会だとお見合いを前向きに受け止めることができたらいいのに。とにかく気乗りしないからツラい。
 自分に結婚願望がないから。
 第二次性徴前から胸がどんどん膨らみ、高校生になる頃には紛れもない巨乳サイズに育ち、それが原因なのか痴漢に遭いまくった。
 特に電車内では不埒な輩の吸引機になってしまい、通学中の痴漢被害の多さに十六歳で男性嫌悪症になったほど。それから電車に乗ることができず、しばらくの間は母親が車で高校へ送ってくれた。
 おかげで今まで異性に何度か告白されたものの、すべてお断りしてきた。触られなければ男性に嫌悪感は覚えないのだが、交際となればそうはいかないから。
 当然、恋愛経験は一度もない。今後も誰かとお付き合いすることはないだろう。
 ただ、仲のいい両親のもとで育ったため、男性すべてがクズだとは思っていない。男性恐怖症というわけでもなく、単に男に頼って生きていかないと決めただけで。
 だから友人の恋は応援したし、周囲の恋愛にかける情熱は否定しないし、男性役員の補佐となる秘書も続けられた。
 妻や子に対して愛情深い父親のおかげだ。本当に助かったと思っている。両親も娘の男性嫌悪を理解してくれるため、結婚を急かすような真似はしない。
 親戚の集まりでも、『翠ちゃんはまだ結婚しないの?』といった無責任な発言があると、両親がやんわりと諫めてくれる。一人娘の翠が結婚しなければ、彼らは孫を抱けないというのに。
 両親には心から感謝している。
 ──でも名字は変えたいのよね。誰か私を養子にしてくれないかな。それか同性婚が法的に認められたら、愛情じゃなくって友情で家族になってくれる女の人を探すのに。異性愛者によるシェアハウスの進化系……
 と、ありえない思考をぼんやり転がしていたら、バーラウンジに上背のある男性が入ってきた。
 スリーピーススーツを着たその長身男性をなんとなく見てしまったのは、体型に合った上質のスーツを着ているせいだろうか。
 翠はフルオーダースーツしか着用しない役員たちを毎日見ているため、体に合うスーツがいかに男振りを上げるか学んでいる。筋肉が少ない細身の男性でも、その体用に仕立てたスーツならば貧弱に見えないのだから。
 こちらに近づいてくるその人は、いかにも体育会系、いかにもスポーツマンといった筋肉質な体格だ。体に厚みがある分、スーツがぴたりと合っているから本当にシルエットが美しい。
 たくましい体軀なのにやたらと姿勢がよくて、背筋が伸びたブレない歩き方が、体幹を鍛えていると感じられた。自然と動きに注目して首から下をぼんやりと眺めてしまう。
 するとその男性が目の前で止まった。
「──ああ、とても可愛いですね」
 ようやく翠の視線が、その人物の首から上へと持ち上がる。
 目が合ったとき、まるで映画のワンシーンのような登場だと息を呑んだ。彫りが深い端整な顔立ちの、“美しい”との形容が似合いすぎるほど似合う男が、自分を見下ろしているのだから。
 ──え、何このイケメン?
 ちょっとびっくりするほどのイケメン……いや、イケメンなんて軽い言葉では表現しきれないほどの、ものすごい美青年である。絶世の、とか、傾国の、とかをつけても許されるほどの美男子だ。
 テレビや雑誌でイケメン俳優やモデルをしょっちゅう見ているけれど、ガタイがいいのもあってこの男性の方が格上との印象まで抱いた。
 しかしこのとき切れ長の涼やかな目に見つめられ、何かが脳の奥でカチッと動く。
 この顔に、見覚えがあると。
「灰本大智です。はじめまして」
 反射的に立ち上がった翠の脳内では、猛烈な勢いで記憶が過去へとさかのぼっている。
 ──はいもと、だいち? ……本当に?
 この完璧に目鼻立ちの整った顔で“灰本”の姓を名乗る人物に記憶はないが、“大智”という名前を持つ男なら一人知っている。
 小学校時代の同級生で、かつてのガキ大将だった少年だ。
 翠は左目尻のほくろを撫でつつ、まじまじと見合い相手の端整な容貌を観察する。
 記憶にある十代前半の少年と二十代後半の今の姿では、風貌や雰囲気がだいぶ違っているものの、すぐに気がついた。
 自分の記憶力がいいのもあるが、おそらくあの生意気な子どもが大人になったらこうなるだろうな、とのイメージそのままだったから。
「……あなたが、灰本社長の息子さんですか?」
 当時の彼の名字は灰本ではない。確か……そう、小野浦だ。小野浦大智。
 翠の芥川姓は五十音順だと一番か二番の出席番号になりやすく、彼も「あ」行で十番前後だったから、何かと近づく機会が多くてよく覚えている。
「そうです。どうぞおかけください」
 のろのろと再び腰を下ろす翠は、「名字が違いませんか?」との疑問が喉元までせり上がったものの、寸前で飲み込んだ。名字が変わるなんて自身の婚姻か養子縁組、または親の離婚、再婚などが理由だろう。
 しかし灰本から子息がバツイチとは聞いていないため、いきなり家庭の事情に踏み込むことは失礼だ。
「今日は来てくださってありがとうございます」
 にこりと爽やかな微笑を浮かべる元同級生と相対して、翠の脳裏に懐かしい記憶が滝のように勢いよく流れ出てくる。
 彼と同じクラスになったのは、小学校五年生のとき。
 当時は翠の方が若干背が高く、背の順に並んだとき翠の前に立つことが彼は気に入らなかったらしい。
 おかげで何かと突っかかってきた。
 当時の翠はショートカットで背が高く、成績も運動も優秀で、女子に好かれるリーダー的な存在だった。
 似たような立ち位置の彼と同じクラスになり、初日から互いに「こいつはなんとなく気に入らない!」と感じたものである。
 勉強も運動も同レベルの、向上心を持つ強気で己に自信がある子ども同士。書道や絵画や作文などのコンクールでも表彰される常連の二人。
 互いに自分を頼ってくれる子には優しいし面倒見もいいが、真正面から張り合う相手とは同族嫌悪を抱いた。子どもながらにプライドが高く、子どもだからこそ譲り合うことができなかった。
 おそらく学校側は似たような二人に対し、協調性や忍耐力、互いへのリスペクトなどを学んでほしくて同じクラスにしたのだろう。だが翠たちは反発するだけで、大人たちの思惑などまったく通用しなかった。
 六年生に進級すると互いに別のクラスになったが、今度は生徒会長選で彼が負けて翠が生徒会長になったことから、廊下ですれ違うだけでも睨み合う関係になった。
 おかげで生徒議会──生徒会役員と各委員会の委員長と副委員長が集まる会──があると、彼は翠の意見にことごとくダメ出しをしたものである。
 彼とは、天敵という言葉が似合いそうな関係だった。
 とはいえ彼の方は私立中学を受験して翠とは違う中学校に進学し、引っ越したと風の噂で聞いた。
 だから小学校を卒業してからは完全に縁が切れていたのだが……
 ──ううん、一度だけ会ったことがある。会うというか、あのとき目が合ったはず。
 高校に進学してすぐ、朝の電車内で初めて痴漢被害に遭った。スカートの中に湿った手のひらが入り込んで、気持ち悪さとおぞましさと、頭の上から落ちてくる興奮した熱い息が恐ろしくて、悲鳴を上げることさえできずに震えていた。
 誰か助けて、と救いを求めて視線をさまよわせた先に、偶然この男がいたのだ。
 小学校を卒業して以来の再会だったが、そのときもすぐに彼だと気がついた。向こうも元同級生と痴漢に気づいたのか、驚いたような視線が翠と背後にいるサラリーマン風の男へ交互に向けられる。
 けれど彼は体ごと顔を逸らし目を背けた。

おすすめの関連本・電子書籍
電子書籍の閲覧方法をお選びいただけます
ブラウザビューアで読む

ブラウザ上ですぐに電子書籍をお読みいただけます。ビューアアプリのインストールは必要ありません。

  • 【通信環境】オンライン
  • 【アプリ】必要なし

※ページ遷移するごとに通信が発生します。ご利用の端末のご契約内容をご確認ください。 通信状況がよくない環境では、閲覧が困難な場合があります。予めご了承ください。

ビューアアプリ「book-in-the-box」で読む

アプリに電子書籍をダウンロードすれば、いつでもどこでもお読みいただけます。

  • 【通信環境】オフライン OK
  • 【アプリ】必要

※ビューアアプリ「book-in-the-box」はMacOS非対応です。 MacOSをお使いの方は、アプリでの閲覧はできません。 ※閲覧については推奨環境をご確認ください。

「book-in-the-box」ダウンロードサイト
一覧 電子書籍ランキング 一覧

ジャンル・シチュエーション検索

 

ジャンル

キャラ属性

シチュエーション