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竜神CEOは花嫁を淫らに愛する

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書籍紹介

神と人間――ふたりの愛に溺れて

『約束通り、花嫁になれ』憧れのCEO・志月から突然のキス。夢心地でいると漆黒だった彼の瞳が青く光り――。子どもの頃、嫁ぐ条件で竜神に命を救ってもらった万葉。まさか竜神が志月の体を乗っ取っている!? 巧みな愛撫に酔いしれ、熱杭を胎内に受け入れる。身体は悦びに沸き立つけれど、本当の彼に抱かれているわけじゃない。ところが、翌朝「志月」として目覚めた彼は?

ジャンル:
現代
キャラ属性:
社長・セレブ
シチュエーション:
玉の輿・身分差 | オフィス・職場 | 甘々・溺愛 | 年の差
登場人物紹介

風原志月(かざはらしづき)

外資系大手コンサルティング会社CEO。仕事に厳しくクールで、美しいほどに整った容姿を持つ。普段は漆黒の瞳だが……。

御守万葉(みもりかずは)

明るく前向きな性格。12歳の時に湖に落ち、奇跡的に助かった。大手コンサルティング会社にCEOの秘書として採用され!?

立ち読み

(や……やだ……助けて)
 身体が車外に放り出され、ふわりと宙に浮く。
 万葉は懸命に手を伸ばすが、その指先は虚しく空を切り──。
 二秒後、彼女の視界から家族の乗った車が消えた。
 ものすごい力で下に引っ張られる。これが落ちるという感覚……そう思った瞬間、背中から湖面に叩きつけられていた。
 痛みを感じる間もなく、吸い込まれるように水の中に沈んでいく。
 一月だというのに、水の冷たさを感じない。ジーンズやセーターが水を吸い、あっという間に重石のようになった。
 万葉は指一本動かせないまま、水底に引きずり込まれる。
(わたし……死んじゃうの? やだ、お母さん、お父さん、やっくん……やだ、やだ、やだ、死にたくない、死にたくない、死にたくない)

 ──死にたくないか?

 頭の中で誰かの声が響く。

 ──死にたくないか?

 ふたたび同じ声が聞こえた気がして、万葉は心の中で叫んだ。
(死にたくない! お父さん、お母さん……助けて)

 ──助けてほしいか?

(助けて……助けてください)

 ──ならば……。

(神様……助けて……)
 息苦しさに胸が詰まる。
 誰でもいい、自分をここから救い出してくれるなら、どんなことでもするから助けてほしい。
 世界が真っ暗になる寸前、万葉はそれだけを願った。

 

 

 

 ジリリリリリ……。
 少しずつ音が大きくなる。
(あれ? 目覚まし? さっき止めたよね?)
 御守万葉が寝ぼけた頭でそんなことを考えたとき、バンと大きな音がした。
「いい加減起きろよ! 隣の部屋でも寝てらんねーのに、この騒音の中、スヤスヤ寝てんじゃねーよ、姉貴!!」
 ハッとして目を開ける。
 学習机の上に置いたはずのピンクの目覚まし時計を手に、五歳下の弟、八尋が立っていた。
「あ……おはよ……やっくん」
 小さいころは病気がちで、見た目もひ弱だった。歳が離れていて、両親も働いていたこともあり、小学校の低学年までは、親ガモを追いかける子ガモさながら、「ねーちゃん、ねーちゃん」と万葉のあとをついてきたものだ。
 だが、中学生になるころには、女の子のように可愛かった容姿もすっかり男の子らしくなり、身体も丈夫になって身長も追い越していった。
 高校二年の今では、生意気な口を利くようになり、日常の挨拶すらろくにしてくれない有様である。
「あのさ、研修終わって、連休明けの今日から本格的な勤務って言ってたんじゃねーの?」
「研修……勤務……」
 ボーッとした頭で、八尋の言葉を繰り返す。
「六時に起きるって言って、目覚まし三個もかけてただろ? もう、七時過ぎてるぜ」
「六時……三個……七時……ええっ!? 七時ぃ!?」
 万葉は転げ落ちるようにベッドから抜け出し、パジャマ代わりのTシャツを脱ぎ始める。
「もうっ! なんでもっと早く起こしてくれないのよ!」
「はあ? 普通は逆だろ。なあ、その調子で秘書とかやれるの? ジンデルってさ、かなりデカい外資系の会社だぜ。姉貴の採用自体、なんかの間違いじゃねーの?」
「そ、そんなこと、ない……と思う、よ」
 とたんに弱気な返事しかできなくなった。
 この春、万葉は都内の女子大を卒業し、無事就職した。
 それも、ジンデル・カンパニー・ジャパン──親会社のジンデル・カンパニーはアメリカのニューヨークに本社を置く、超大手のコンサルティング会社である。
 外資系の中でも人気が高く、新卒採用はかなり厳しい。むしろ、専門的な分野で実績を上げ、キャリアアップを目指すエリートの転職先として有名だ。そんな会社に、今年度からアシスタントの名目で一般職の採用枠ができ、当然、応募は殺到したという。
(わたしの場合は……みんな受けるっていうから、とりあえずって感じでエントリーしたんだっけ? 採用通知がきたとき、教授だけじゃなく、学長まで驚いてたもんねぇ)
 新入社員研修で顔を合わせたのは二十人にも満たない数だった。
 全国レベルで名前を聞く大学の卒業生ばかりが揃う中、思いきり平均レベルの私立女子大卒の万葉が紛れ込んでいたのだから……。
 その上、なんと万葉の配属は秘書室だった。
(ただでさえ微妙な空気だったのに、英語もまともに話せないわたしが秘書室勤務だもんねぇ。みんなピリピリして、とてもじゃないけど、同期だから仲よくしようねって感じにはなれなかったなぁ)
 だが仮に、弟が言うところの「なんかの間違い」であったとしても、採用は採用だ。
「だ、だーいじょうぶだって! ほら、外資系の大きな会社だからこそ、目の付けどころが違うんじゃないかな?」
「まあ、たしかに違うとは思うけど……姉貴を採用した時点で」
「あのね、やっくん。こう見えて、あなたのお姉さんはめちゃくちゃ強運の持ち主なんだからね!!」
 万葉が胸を張って言うと、部屋から出ようとしていた八尋の足が止まった。
「それは、知ってるけど……。なあ、ひょっとして、また、夢とか見たんじゃ」
「違う違う。あのことを抜きにしても、かなりラッキーっていうか、悪運が強いっていうか、とにかく、十年前のことはもう、なんでもないから」
「……」
 八尋は胡散臭そうな目つきでこちらをチラッと見たが、さすがに下着姿の姉を直視するのは憚られたようだ。
 ほんのちょっとだけ、頬を染めたように見えた。
(何? お姉様の下着姿に照れてるの? もう、でっかくなっても意外に可愛いじゃない)
「ああ、そうだ! ねえ、やっくん、お母さんによけいなこと言わないでよね! わたしのことはもういいから、あんた学校があるんじゃないの。さっさと着替えなさい」
「寝坊したのは姉貴だろう? それに、俺の学校はチャリで十分。でも姉貴は、電車で一時間以上かかるんじゃ……」
 八尋の指摘に万葉は時計を凝視した。
 弟の前だから、などと言っている場合ではなくなり、万葉は大急ぎで着替えたのである。


 ──十年前、万葉は一家で父、一幸の田舎に帰省した。
 父の田舎は奥多摩にある。片道二時間から三時間で戻れるので、帰省といってもそう大げさなものではない。母、千鶴の実家は都内にあり、しょっちゅう行き来しているため、父の実家には盆と正月休みにだけ、家族揃って顔を出すことにしていた。
 十年前の帰省も、そう特別なものではなかった。
 同じ東京とはいえ、コンビニどころか自販機すらない田舎で三日ほど過ごし、帰宅途中にそれは起こった。
 湖に沿った山道を父の運転で走行中、地震による落石を受けたのである。
 地震そのものは震度四程度。落石も直径五センチ程度の石が、斜面を転げ落ちてきたくらいだった。
 問題はそのとき、落石を受けて驚いた父が急ブレーキを踏んでしまったことだ。
 凍結した路面をタイヤが横滑りして、車体の側面からガードレールにぶつかった。車はそこで止まり、湖への滑落を免れたのだが……。
 その直前、後部座席に乗っていた八尋が、湖を眺めるため窓を全開にしていた。母から、「車の中が寒くなるでしょう。早く閉めなさい」と何度も叱られていたが、弟はいうことを聞こうとせず……そのせいで、車がスリップしたとき、弟の身体は窓から放り出されそうになった。
 当時、弟はまだ小学一年生。その小さな身体は簡単に窓から飛び出しそうに見えた。
 そんな弟を守ろうと、六年生だった万葉は必死で弟の身体を掴んでいたように思う。後部座席のドアを足で蹴るようにして踏ん張り、全体重をかけ──。
 だが、それが災いした。
 ガードレールにぶつかった瞬間、万葉の足がツルンと滑った。直後、弟と入れ替わるようにして、万葉の身体は窓から飛び出していたのである。
 そのとき、万葉が掴んでいたのは弟の身体で……。
 彼女はとっさに手を放した。
 万葉が覚えているのはここまでだ。
 救助隊がやって来たのは、事故から一時間後のことだったという。
 両親は救急車の中で意識を取り戻し、真っ先に後部座席の姉弟の無事を尋ねた。
 すると、後部座席に乗っていたのは少年ひとりで、すでに救助済みと聞かされ──そこで初めて、万葉が車外に放り出されたとわかったのだ。
 道路から湖面まで約二十メートル。
 生存が絶望視される中、湖畔に倒れる万葉が発見された。
 低体温症に陥っていて、かなり危険な状態だったが、致命的な外傷を負っていなかったこともあり、翌日、万葉は意識を取り戻したのである。
“十二歳の少女、奇跡の生還”と全国紙にも掲載された。
 その後、幾度となく──あの高さから落ちて、かすり傷程度で済んだ理由や、真冬の湖で着衣のまま畔まで泳ぎつくことができた理由等々──あちこちから質問されたが、万葉は全く覚えておらず、十年経った今も思い出すことはない。
 ただ、ひとつだけ……事故のあと、万葉は不思議な夢を見るようになった。
 車から飛び出した瞬間の身体が浮く感覚。落ちるときに氷の刃で頬を裂かれる感触。そして、水中に沈んでいくときの身体の重さと息苦しさ。それから、彼女に問いかける強くて優しい声。
 事故直後は、何度となく泣きながら目を覚ました。
 言葉にしようとしてもモヤがかかったようになり、上手く表現できない。
 意味不明なことばかり口にする万葉を案じた両親は、彼女を心療内科へと連れて行ってくれた。
 すぐによくなったわけではないが、時間が経つことで、恐ろしい記憶の断片は少しずつ薄れていったように思う。
 といっても、綺麗さっぱり忘れてしまったわけではない。
 十年が過ぎても、たまに夢に見ることはある。それははっきりとわかるのに、内容を整理しようと思うと消えていくのだ。
 万葉はそんな不安を口にすることをしなくなった。
 なぜなら両親は、事故の原因も、万葉の救助が遅れたことも、すべて自分たちのせいだと思っている。両親だけではない。弟の八尋まで、自分のせいで万葉を死なせるところだったと思い込んでいるのだ。
(あれは不運な事故。生きて戻ったんだから、超ラッキーでいいんだってば。夢だって、いつか見なくなるはず)
 人生にはきっと、思い出すより忘れてしまったほうがいいことがある。
「大丈夫! わたしは生きてる! さあ、頑張ろう!!」
 自らを鼓舞するように声を上げ、万葉は真新しいスーツに袖を通したのだった。

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