奇跡の恋

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- 本販売日:
- 2019/08/05
- 電子書籍販売日:
- 2019/08/05
- ISBN:
- 978-4-8296-8384-2
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あなたなしでは生きられない
別れた蒼嗣と偶然再会したましろ。弁護士の彼は相変わらず見目麗しく、胸の高鳴りは止まらない。「ましろが欲しい」囁きとともにむさぼるようなキスと巧みな愛撫に蕩けそうになる。ゾクゾクとした快感に想いが再燃して……。でもまた付き合ってもうまくいかないかもしれない。不安な気持ちでいると「もう離したくない」と抱き締められ――。運命で結ばれた奇跡の恋!

都筑蒼嗣(つづきあおし)
古閑法律事務所の弁護士。元検事。以前ましろと付き合っていたが、現在は別れている。偶然再会したましろに対して!?

根岸ましろ(ねぎしましろ)
元保育士。学生時代は蒼嗣の隣に住んでおり、彼と付き合っていた。子どもが好きで面倒見がいい。
ぎゅ、と抱きしめる腕の力が、少し強くなる。
蒼嗣の香りに包まれ、求められるような抱擁をされ、目の奥が熱くなった。
「……どうし、よう」
「ん?」
「うれ……し……」
「……」
「ぎゅってしてほしいときに、蒼嗣くんがいる……。夢じゃなきゃ……いいのに……ッ」
一ヶ月前まで、どんなに焦がれても、手を伸ばしても、決して感じることのなかったぬくもりに胸が熱くなった。
「靴、脱いで」
蒼嗣の低くて甘い声に、身体から力が抜けていくのを感じながらも、かろうじてパンプスを脱ぐ。あれ、と思ったときには、膝裏と背中に手を回され、抱き上げられていた。
先程、ましろがリクエストした──お姫さま抱っこだ。
蒼嗣は、玄関を上がってすぐの部屋に入った。奥へと進み、薄闇の中をまっすぐにベッドへ向かったのだろう。ましろを、そこへおろした。
ギシ、というベッドのきしむ音が、生々しさを伝える。
今、自分がいるのは、蒼嗣が寝起きしている寝室のベッドなのだ、と。
暗闇に目が慣れたましろに覆いかぶさるようにして、蒼嗣がまたがる。彼はましろを見下ろし、スーツのジャケットを脱ぎ捨てた。衣擦れの音が聞こえてくるというのに、ましろは何が起きているのか理解できなかった。
何も考えられない。
考えたくない。
考えたら、この甘い夢が終わってしまいそうな気がして。
ふいに伸びた手が、蒼嗣のネクタイを掴む。触れていないと不安でしょうがなかった、寂しさに溺れたかつての自分がそうさせたのか、それとも酒の勢いなのかはわからない。夢と現実の狭間で、揺れ動くましろの心はそれでもなお、蒼嗣を求めていた。
ネクタイを引き寄せ、眼前まできてくれる彼の吐息が唇に触れる。
「……キスはだめ」
心臓が引き裂かれそうな痛みを感じ、蒼嗣のネクタイを掴む手に力がこもった。そうだ、だめだ。だめなんだと頭ではしっかりわかってる。これは夢じゃない。夢だと思いたいだけなんだと、酔いから覚めたかすかな理性が叫ぶ。
それでも、キスがしたかった。
「……夢なのに……?」
蒼嗣の手が、ましろの頬を覆う。
「夢にされるのが、嫌だから」
そう言って、蒼嗣はましろの首筋に顔を埋めた。
「ぁ、んッ」
やわらかな感触が触れる。熱を持った舌先が、ましろの肌を堪能するように触れ、そこをくすぐった。ぞくぞくとした甘い感覚が腰骨のあたりから這い上がり、声が漏れ出る。
──……ああ、蒼嗣くんの……唇……だ……。
「気持ち……いッ」
胸の奥でつぶやいた言葉が、まさか声に出ているとは思わず、ましろはまた身体を震わせた。ちゅ、ちぅ、という、肌を舐めては吸う、いやらしい水音が寝室に響く。しだいに、彼の唇は首筋を上がって耳のやわらかなところを食んだ。
「んぅッ」
舌先でちろちろとそれを揺らし、離れていく。
ネクタイを掴んでいた手から力が抜けると、蒼嗣は上半身を起こした。手早くネクタイを解いて引き抜き、胸元のボタンをひとつ、ふたつと片手で外す。見惚れる時間さえ与えてくれないのか、蒼嗣は再びましろの首筋を食むようにくちづけた。
「ん、んぅッ」
「ましろ、甘いね」
「ひゃんッ」
首筋を舐め上げられ、甘い声をあげさせられる。
蒼嗣はましろの肌を堪能しながら、胸元にあるリボンタイを解いた。しゅるり、という音を立て、それは鎖骨を撫で落ちていく。そのなめらかな布の感触に、身体が小刻みに震えた。蒼嗣の長くて綺麗な指が、シャツブラウスのボタンをひとつ、ふたつと外し、布越しに豊満な胸を揉み上げる。
「んんッ」
指先でてっぺんをひっかくようにして、ブラジャー越しに乳首を刺激された。もどかしい感覚に、腰が自然と震える。蒼嗣は、ましろの耳を乳首に見立てて舐めしゃぶった。かすかに勃ちあがり始めているそこを舐めるように、舌先と指先の動きを同じにする。
「ん、ぁ、あッ」
遠距離だったころ、蒼嗣の愛撫を何度も思い出しては身体を切なくさせていた。
そのときに培われた妄想力が今になって発揮されているのか、ましろは与えられる快感に身を捩らせて悶えることしかできない。ブラジャーに隠されたそれは、すっかり勃ちあがって痛いほど自己主張をしている。直接触ってほしいという欲望と、それをしたらだめになるという相反する感情が渦巻く。
すると、蒼嗣の指先が、器用にもブラジャーのカップを少し下げた。秘められていたましろの先端が、突然やわらかなシャツブラウスの生地に包まれる。
「ん、ぁッ」
勃ちあがっているそれに、シャツブラウスが触れるだけで刺激が走った。いつもならカップを少しずらしただけではこうはならないのだが、つんと尖ったそれが、ブラジャーに秘められるのを嫌がるように邪魔をした。
薄布越しに感じる彼の指先に、期待と不安が入り交じる。
「あ、……だめ、……だめ……ッ」
甘い声が響いた直後、胸の先端をシャツブラウス越しにきゅっとつままれた。
「ぁ、ぁああッ。あ、あ、ぁッ」
胸を突き出すように、背中が跳ねる。
蒼嗣の指先は容赦なくましろの尖ったそこを、薄布越しにきゅむきゅむきゅむと緩急をつけて何度もつまんだ。甘い気持ちで胸がいっぱいになってくると、もはや何も考えることができなくなる。

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