オパール文庫 極甘アンソロジー2
シンデレラハネムーン!

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- 本販売日:
- 2018/06/04
- 電子書籍販売日:
- 2018/06/04
- ISBN:
- 978-4-8296-8342-2
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愛され旅で幸せの絶頂
とびきりエロスな6作品!
結婚式を終えて
フランス、ハワイ、トルコ、チェコなど世界各国へ
愛しいダーリンとドキドキの新婚旅行!
昼も夜も抱かれる濃密な時間を過ごして……。
シンデレラたちの甘い幸せにどっぷり浸る極上アンソロジー!
(掲載順)
『君と見る、蜜夜の夢』井上美珠
『完璧御曹司は夜となく昼となく妻の心に愛を刻む』山野辺りり
『青く澄んだ空の下、幸せな奥様は甘やかされる』山内 詠
『温泉で旦那様に嫌というほど愛されました』七福さゆり
『蜜月初夜 魅惑の古都で甘く淫らに酔いしれて』涼川 凛
『英国紳士なトップエグゼクティブは、田舎(娘)がお好み』シヲニエッタ

天宮清泉(あまみやいずみ)
最高級ホテル「カニンガムホテル東京」の社長。スタッフだった陽子(はるこ)を見初め結婚。

久世光樹(くぜみつき)
航空会社の御曹司。容姿端麗で理想的な王子様。地味な舞衣(まい)と政略結婚したが……。

豊岡健司(とよおかけんじ)
有名菓子メーカーの御曹司。取締役として忙しい日々を送っているが、七海(ななみ)と結ばれ……。

東條瑛斗(とうじようえいと)
今を時めく人気俳優。幼なじみの紬(つむぎ)と結婚。世間的には非公開の関係だけど!?

草間 譲(くさまゆずる)
冷静沈着な外科医。次期院長とも言われているモテ男。医療事務の美由紀(みゆき)と結婚。

クリストファー・ランバート
英国人。欧米の大手投資銀行の上級幹部でシンガポール在住だったが、花梨(かりん)と 結婚して東京へ。
陽子は初めてこの部屋に入ったときに感じた疑問を思い出す。広いプレジデンシャルスイートに一人で暮らして寂しくはないのかと。そして素晴らしいものに囲まれた社長は、いつも何を思って眠りについているか、と。
「ここに暮らしていて、寂しかったんですか?」
「そうかもしれない。ただ広いだけだ。ここは僕の家であって、そうではないしね」
再び陽子を引き寄せ、腰に腕を回しながら、清泉は言った。彼の腕に力がこもるのを感じる。
「本当は寂しがり屋なんだ。仕事は充実していて、生きがいもやりがいも感じていたけれど、何か物足りなかった。でも君を見つけて、そんなことは吹っ飛んでしまったよ。君の笑顔を見るだけで、幸せだ」
幸せなのは陽子も同じだ。だから甘えるように清泉の肩に頭を預けた。
「じゃあ、今度は普通の家に住んだらいいですね。スイスに行くのなら、貸家とか」
「ああ、それはもう手配済み。良い家だ」
えっ、とばかりに陽子は目を見開く。
「家を探すのに忙しかったのもあるけど、君と会えない時間は耐えがたかったな」
さらに抱き締めてくる清泉を見上げて、この人はもう、と思った。
「そんな大事なこと、どうして私に話さないんですか? 私も一緒に選びたかった」
「そう思っていろいろ考えていたんだけど、スイスに着いたときのサプライズにしようかと思ってね」
サプライズって、と陽子は眉を寄せた。きっとすごく豪華な家に違いない。
この部屋にいながら、今さら狭い家になんて住まないと思う。
「いつもびっくりさせすぎ! サプライズなんてどうでもいいのに!」
陽子が多少怒った風に言うと、彼は眉を下げて、陽子の頬を撫でた。
「ごめん陽子さん」
そう言って陽子の顔を引き寄せて、軽くキスをする。そんなことで流されない、と思いながらも、彼から何度も小さなキスをされると、何も言えなくなってしまう。
「広い家なんでしょうね」
キスの合間に言うと、彼は微笑んだ。
「さぁ、どうかな。見てのお楽しみにしてもらおう」
なんだか自信ありげにそう言うのを見て、陽子は大きくため息。
「今日は、時間があるんですか?」
「これからは陽子さんとの時間だ。それに、延ばし延ばしになっていた、新婚旅行も決めないといけない」
いきなりいろいろと言われて、陽子は面食らう。
それよりも今は、久しぶりに一緒に過ごせる時間を大切にしたいのに。
「しばらく話せなかったから、今日は話をしよう」
「……その言葉を待ってたんですけど」
「ん?」
彼はいつも通り微笑み、陽子の前髪をかき分けた。
「だから、私を放っておいた分、きちんと私との時間を大切にしてって言ってるの。家の話とか、旅行のこととか、どうでもいいので」
「放っておいた分、きちんと埋め合わせをしたい。旅行は、君と二人きりの時間を持つことができる唯一のものだ。連れて行きたいところがある。それに、こうやって君を抱き締めていると何もできなかった分、変な気を起こしそうだ」
彼は陽子の肩をゆっくりと撫でさすり、そのまま手首まで触れたあと、陽子の手に指を絡めてくる。
「君に夜の挨拶ができなかった時間は、苦痛だった」
清泉の鼻先が頬に当たる。ほんの少し顔を上げると、しっとりと唇が重なってきた。
「……っん」
小さく甘い声を出したところで彼は水音を立ててゆっくりと口付けを解く。
「うやむやにされた気分……清泉さんの色仕掛けで」
「君が機嫌を直してくれるなら、僕はどんな色仕掛けでもするよ、陽子さん」
陽子と繋いでいる手と反対の手で、彼は首筋を撫でた。そうしてさらに顔を上に向けさせると、今度は最初から舌を絡めるキスをする。
「は……っ」
繋いでいた手を離したのは陽子の方だった。彼の胸に手を置き、スーツの襟を掴んだあと、首へと手を這わせてキュッと抱き締める。
「もう……私、流されすぎ……っ」
ソファーの上に勝手に崩れ落ちていく身体を清泉は受け止め、そうして小さく笑う。
「今まで、忙しくして悪かったね」
「そんなの……」
そういうのは謝ってくれなくてもいい。この今の時間が陽子はずっと欲しかった。
「清泉さんは、私のことわかってない」
文句を言うと、彼はそうかな、と耳元で囁く。
「僕は君のことを大事に思っているし、すべてではないけどわかっている」
そのまま耳を軽く食んで、歯を立てられて身体がビクリと反応する。
「陽子さんは僕が欲しかったはずだ」
それはそうだけど、なんて自信なんだろう。確かに清泉は陽子のものだと強く感じたかった。なのに放っておかれてしまった。
「清泉さんはどうなの? 私が欲しかった?」
「当たり前だ。何度君の寝顔を見て、トイレへ行ったか」
平然とした顔で言ったその言葉に理解が追いつくのは、数秒経ってからだった。意味がわかって、陽子は火を噴きそうなほどに顔を赤らめてしまう。
「そんなのウソだ」
「嘘なんかつかない。君を思い出しては、抱くことばかり考え、欲情して大変だった。今から思いを遂げさせてくれるかな?」
言い方がいちいち、どこか日本人らしくなくて。大人っぽくて。
思いを遂げさせて、なんて陽子も同じだ。
「もちろんです……来て、ください」
恥ずかしいことを言った陽子は、顔を背けた。
きっとこのあとは清泉が何とかしてくれると思って、目を閉じる。
「目を開けていないと、もっと何か恥ずかしいことをされるかもしれないけどいいのかな?」
耳元でクスッと笑われて、陽子はほんの少しだけ目を開ける。
「まずは、君の中に入りたい」
彼の熱い息遣いを感じて、小さくうなずいた。
ネクタイを緩める音、ベルトを外す音を聞きながら、陽子は自分のパンツのボタンを外した。
少しずつ服が脱がされて、彼の前で肌をさらしていく羞恥に頬を真っ赤に染めながら、これから久しぶりに彼に抱かれることを思うと、心も身体も高揚して仕方がなかった。
(『君と見る、蜜夜の夢』井上美珠 より)

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