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ギリシア海運王の執着愛

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書籍紹介

ただ一人、運命の花嫁は君だ――

「君は生涯、私だけのものだ」金色の瞳を持つ逞しいレオンと一瞬で恋に落ちた真理。力強い抱擁と愛撫。灼熱の塊で貫かれ、この上ない快感に支配される。もっと愛されたい――その一心で傍にいることを決意したけれど。ギリシア名家当主で大富豪の彼。望めば手に入らないものはないはずなのに時折切ない表情を見せるのはなぜ? 孤独な海運王と真実の極上ドラマティック愛!

ジャンル:
現代
キャラ属性:
社長・セレブ
シチュエーション:
玉の輿・身分差 | 船上・旅もの | 年の差 | 甘々・溺愛
登場人物紹介

レオン・アンゲリス

ギリシア人。名家・アンゲリス家当主。海運会社CEOであり、巨大複合企業のオーナー。来日した際にホテルで婚約者を待っていたが……。

柚木真理(ゆずきまり)

日本人とギリシア人のハーフでエメラルドグリーンの色の瞳を持つ。兄が犯した失態のために、とある社長の元へ行くように言われ!?

立ち読み

 ピンポン……ピンポン……。
 羽田空港、国際線ターミナルに直結したホテルの最上階、スイートルームにベルが鳴り響いた。
 部屋の主、レオン・アンゲリスは濡れた身体に黒のバスローブを羽織りながら、ドアに近づいていく。
 ギリシア人の彼は、アテネに本社を持つ海運会社のCEOだ。このホテルは利便性があり、仕事で日本を訪れるときは必ず利用している。
(だが、まさか、こんな目的で使うことになるとは)
 レオンが複雑な思いでドアを開けたとき──そこに、漆黒の髪をした美しい娘が立っていた。
 初見の印象は日本人そのものだ。
 だが、こちらを見上げる大きな瞳は、深い神秘の光を湛えたエメラルドグリーンの色をしていた。それに、彼女の肌の白さは、ゲルマン人特有だ。
(この娘は間違いなく、美の女神アフロディーテに愛されている。いや、女神の化身かもしれんな)
 レオンは息を呑んだまま、しばらくの間、見惚れていた。
「あ……あの……わたし」
 ハッとして頭を左右に振る。
「──入れ」
 少し考えたあと、彼女の日本語に合わせて、レオンも日本語で命じた。
 そのまま返事も待たずにリビングに戻り、正面の大きな窓から見える羽田空港の夜景をバックに、どさっとソファに座り込む。
「驚いたな。だが、純粋な日本人ではないな」
 おそらく、叔父たちが選びに選んだギリシア名家の令嬢をあてがわれるのだろう、と踏んでいた。
 それが、予想を大きく外した娘の登場に、レオンも驚きを口にせずにはいられない。
「母が……日本人ではないので……」
「いくつだ?」
「二十二歳です」
「学生か?」
「いえ、保育士をしています」
 レオンは立て続けに質問し、その間、彼女の品定めをしていた。
 間もなく三十三歳になるレオンの相手としてはかなり若い。だが、子供を数人産ませることを考えれば、ちょうどいい年頃だろう。
「私の条件はひとつだ。──君は処女に間違いないだろうな? ベッドの上で私を騙せると思うなよ」
 レオンの鋭いまなざしに、彼女は肩を小さく震わせる。
「だ、騙そうなんて……そんな」
「いいだろう。バスルームはベッドルームの奥だ」
 リビングとベッドルームの間にはスライド式のドアがあった。今は開け放されており、クイーンサイズのベッドが丸見えだ。
 迷うような広さではないはずなのに、彼女はなぜか躊躇う素振りをしたまま、ピクリとも動こうとしない。
 レオンは濡れた黒髪をかき上げながら、テーブルの向こうに立ったままの娘に声をかけた。
「どうした? 早くしないか」
 急かす口調で言うと、彼女は決意を込めたまなざしを向けた。
「父に……言われて、ここまで来ました。でも、兄の件……本当に約束していただけるんですね?」
 言葉の内容はよくわからない。
 だが、何かの条件と引き換えに、義母たちは彼女の父親に娘を差し出させたとみえる。
「兄の件?」
「お金のことです!」
「ああ、それなら君しだいだ。私を満足させることができれば、君は金で叶えられる望みなら叶わないことはなくなるだろう」
 ずいぶん気前のいい話だが事実だ。
 なぜなら、レオン・アンゲリスは一海運会社のCEO──最高経営責任者というだけでない。ギリシアの名家、アンゲリス家の当主であり、世界百ヵ国以上に拠点を持つ海運業を主体とする巨大複合企業のオーナー。
 彼は、ギリシアの海運王と呼ばれる男だった。

         ☆ ☆ ☆

 クリスマスを約一週間後に控えた夜、柚木真理は、羽田空港の国際線ターミナルの前でタクシーを降りた。
 だが、彼女の目的は飛行機に乗ることではなく──。

 真理は江戸川区内の保育園で保育士として働いている。
 保育園の近くでひとり暮らしをしているのだが、仕事が終わってスマホの電源を入れるなり、コール音が鳴り始めた。
 父からの「すぐに帰れ」という連絡だった。
 実家に戻ると、ここしばらく会っていなかった一学年上の兄、充がいた。
 充は負けず嫌いな性格をしていて、歳の近い真理は、子供のころから意地悪ばかりされてきた。充より縄跳びを続けて飛んでいると突き飛ばされたり、夏休みの宿題で真理の育てた朝顔の花の数が多かったときは、鉢ごと壊されたり。
 ところが、そんな充が今日は打ちひしがれた顔をしている。
「こんなはずじゃなかったんだ。上司から言われるままにやったのに。損失が出たら、全部僕のせいにされたんだ」
 そう言うなり、泣き始めたのだった。
 充は今年の春、外資系の投資銀行に就職した。
 大学在学中には一年留年しており、授業への出席率や就職活動の熱心さから考えても、決して優秀な学生だったとは思えない。
 それでも一流といえる投資銀行に採用されたのは、やはり縁故だろう。
 兄妹の父、柚木満利は埼玉県にある地方銀行、ヤマト銀行の頭取だった。柚木家は日本有数の金融グループ、大日本フィナンシャルグループの本家に繋がる血筋だ。金融業界には強力なパイプラインがあり、父が不肖の次男坊のため、本家を頼ったのは明白だった。
 だが、大金を動かす仕事は、充には荷が重かったらしい。
 彼はアメリカに本社がある企業の日本進出にあたり、同じ業種の日本企業の買収を任され、それに失敗した。
 億単位の損失を出してしまったうえに、その取引には不正が絡んでいるという。
「金で済むことならどうにかしたい。だが、ゼブインターナショナルの社長は、充を告訴すると言ってるんだ」
「このままじゃ、僕はおしまいだ。嫌だ、刑務所なんて行きたくない!」
 充は子供のように駄々をこね、母、美子に縋った。
「ねえ、真理。あなただって、兄を刑務所に入れたくはないでしょう?」
 それは当たり前だろう。
 仲はそれほどよくないとはいえ、血の繋がった兄である。
 真理がうなずくと、父は信じられないことを口にしたのだった。
「うちの家族写真を見て、あちらの社長がおまえに会いたいと言うんだ。とりあえず、今夜──。それで、告訴はしないと言ってくれている」
 その社長が真理に「会いたい」ということは、ただ、会うだけでは済まないはずだ。
 しかも、「とりあえず、今夜──」ということは、今夜だけではない、ということにほかならない。
 驚き過ぎて言葉もない真理に向かって、美子は畳みかけるように言う。
「もちろん、行ってくれるわよね? 十六年間、あなたの面倒をみてやったのよ。こんなときに役に立たなくてどうするの?」
「おいおい、そんな言い方は……」
「あなたは黙っていてちょうだい!! ねえ、真理、私があなたを育てた苦しみがどんなものか、二十二にもなればわかるでしょう? それに、半分とはいえ充は血の繋がった兄なのよ。あなたしか充を救えないの。お願い……一生のお願いよ!!」
 美子は真理の手を取り、祈るように叫んだ。
 今から二十二年前、真理は実の母親から捨てられた。
 三歳までを乳児院で、その後児童養護施設で過ごし、小学校に上がる直前、実の父親という男性が突然迎えに来たのである。
 それが柚木満利だった。
 彼は「養子という形になるが、これからは家族として一緒に暮らしていこう」そう言うと、真理を家に連れ帰ってくれた。
 真理を捨てた母親は、ギリシア人だったという。
 もとは留学生だったが、日本滞在中に金に困り、父と出会ったときは身体を売って生活していた。父はすでに結婚しており、妻、美子との間には六歳の長男、拓人がいて、妻は第二子妊娠中だった。
 そんなとき、真理の母、エレーニに声をかけられ……。
 父は「魔が差した」と言っていた。
 エレーニは、太陽を写し取ったようなブロンドとエメラルドの瞳、日焼けした肌になまめかしい肉体を持つ美女で、彼女には多くの信奉者という名のお客がいたようだ。
 父はエレーニから妊娠を告げられても、自分の子供とは思わなかった。
 金が必要なのだと思い、用立ててやった結果……六年後、そのことが理由で真理の父親候補として名前が上がり、DNA鑑定の末に、実父と判明した──。

「一生のお願いよ!!」
 ホテルのフロントを前にして、真理の頭の中に、美子の叫びが響いた。
 美子にとって真理は、夫の浮気の証拠にすぎない。しかも妻の妊娠中に、若い外国人女性と遊んだ不始末の結果。
 その娘を引き取り、母親として育てたのだ。彼女の苦痛は相当だっただろう。
 たしかに、この十六年間、実の子供のように愛されてきたとは言えない。
 それでも、物心ついたころから自分の出生について聞かされ続けた真理にとって、美子に対する思いは感謝しかなかった。
 だが……。
(本当にいいの? お母さんにお願いされたとはいえ、これって、身体を売るのも同然よ。それじゃ、本当の母と同じになってしまう)
 真理が父に似ているのは黒髪だけだ。
 彫りの深い顔立ちや白い肌、何より鮮やかなグリーンの瞳から、真理の母親が美子でないことは隠しようのない事実だった。
 そのせいでいろいろな噂が立ったが、両親は真理のことを『養女』としか言わなかったように思う。
 だが、同じ高校に通う充が、真理の出生について言いふらしたため、最低な高校時代を過ごす羽目になった。真理は裏で『娼婦の娘』と呼ばれ、上級生に限らず、同級生やときには教師からも、『一回いくら?』と言い寄られた。
 そういった経験から、就職して以降、たまにデートをすることがあっても、決してベッドに飛び込むようなことはしなかった。愛する人から求婚され、結婚式の夜にすべてを捧げよう、そう心に決めていたからだ。
 心から愛し合う人と、幸福な家庭を築くこと──それだけが真理の夢だった。
 今、フロントに自分の名前を伝え、ゼブインターナショナルの社長のルームナンバーを聞いて、そのまま部屋に向かったとすれば……。
 仮に、今夜一度きりだったとしても、その夢を叶える資格を自ら手放すことになる。
 躊躇するあまり膝が震えるが、真理は大きく息を吸った。
(充兄さんのためだけなら、絶対にしたくない。でも、拓人兄さんのキャリアに傷はつけられない)
 ずっと真理を助けて守ってくれた長兄、拓人のことを思い浮かべ、彼女はフロントに向かって歩き始めた。

 冷え切った身体にお湯が降り注ぐ。
 適温のはずなのに、やけに熱く感じてしまう。
 彼に言われるまま、バスルームに足を運び、服を脱いでシャワーブースに入ったものの、このあと行われることを想像するだけで、手の震えが止まらない。
 真理は身長が一七〇センチ近くあった。
 そのせいで、男性を見上げたことがほとんどない。だが、この部屋の主である男性は、遥か上から真理のことを見下ろしていた。
(一八〇? ううん、一九〇センチはあると思う)
 彼が真理のことを見ていた時間、真理もまた彼から目が離せなかった。
 アメリカ人と聞いていたせいか、なんとなく金髪碧眼の男性を想像していた。
 ところが、彼は予想を大きく外して黒髪だった。ただ、黒髪といっても日本人のそれとはまるで違う。シャンデリアの光に艶めき、ブルーブラックに光って見えた。
 バスローブの胸元から覗く肌は、ほどよく日に焼けていたように思う。
 三十代後半というわりには若々しく感じた。
 何より惹きつけられたのは、狼の目と言われる金色の瞳。射るようなまなざしから強い意志が放たれ、息をするのも苦しかったくらいだ。
 真理は生まれつきの容姿のせいで、十代のころから好奇な視線に晒されてきた。
 彼女が聞かされていたゼブインターナショナルの社長、ゼブ・エンジェルは──妻子がいながら、世界中のあちこちに愛人を持つ男性。そんな男性なら、きっと卑猥な目で真理の全身を舐めるように見るだろう、そんなふうに考えていた。
 ところが、彼は真理の身体ではなく、彼女の瞳を真正面から捉えて離さなかった。
 それも、見くだすような冷たい視線ではなく、吸い込まれるような熱いまなざし。彼は決して、視線で真理を裸にするような真似はしなかったのである。
 彼のまなざしを思い出すだけで頬が火照り、真理の胸はときめいた。
(いやだ……わたしったら、どうしてしまったの?)
 まるで恋に落ちてしまったようだ。
 だが、彼はアメリカに妻子がいる。どれほど惹かれても、飽きて捨てられるまでの愛人にしかなれない。
 真理はシャワーブースから出ると、お湯に濡れた身体を鏡に映した。
 雪のように真っ白い肌はほんのりピンク色に染まり、湯気が立っている。ふたつの乳房はこんもりと盛り上がり、双丘の谷間を水滴が流れ落ちた。細くくびれたウエストを下にたどると、薄めのアンダーヘアも髪と同じく漆黒だ。ヒップは肉づきがよく、真理の目には、アヒルのお尻のように映る。
 同僚の女性からは、男好きする体形が羨ましい、と言われたが……真理自身、とてもそんなふうには思えなかった。
(あの人も、そうなのかしら? この体形が気に入ったから、わたしのことを取引条件にしたの?)
 いつの間にか、本来とは違う悩みに変わっていた。
 一瞬の出会いに、真理の心は囚われてしまったかのようだ。自分で自分の心が見えなくなり、立ち尽くしてしまう。
 そのとき──背後のドアが音を立てて開いた。 
 ハッとした真理は、鏡の中に彼の姿を見つける。するとそこには、燃えるように揺らめく金色の瞳があった。
 真理は息を呑んで、鏡越しに彼とみつめ合う。
「朝まで……シャワーを浴びるつもりか?」
「そんな、すぐに出ます。もう少し、待ってください」
 真理は慌ててバスローブを手繰り寄せ、一糸纏わぬ身体を隠そうとした。
 しかし、彼はその手を掴んだ。
「隠す必要はない。君は、女神だ」
 前を向かされ、次の瞬間、真理は唇を奪われていた。
 それは真理にとって、初めてのキスだった。
 思いのほか彼の唇は柔らかく、吐息の熱さまで感じる。
 チュッ……チュッとリップ音がバスルームに広がり、彼は何度も真理の唇に吸いついた。
 ずっと息を止めていると、しだいに苦しくなり、バスローブを掴む指先が小刻みに震え始める。
 すると、慌てた様子で彼は唇を離してくれた。
「息を止める奴があるか。口を開けて息を吸うんだ」 
 耳元に口をつけささやいたあと、彼は舌先で真理の唇をこじ開けようとした。
「んっ……んんっ」
 真理は条件反射のように口を閉じてしまう。
 すると彼は舌先を器用に動かし、隙間を縫うようにして強引に侵入を果たした。
 弾力のある舌が口腔内を暴れている。まるで蹂躙されているようで、真理は懸命に舌で押し返そうとした。
 だが、真理が抵抗すればするほど、彼のキスは激しくなる一方で──。
 どれほどの時間、キスを交わしていたのだろう。真理がぐったりすると、彼はようやく解放してくれた。
「もう、許して……」
 掠れた声で降参を口にすると、彼は肉食獣が獲物を見るように笑った。
「なんの冗談だ? お愉しみはこれからだろう」
 その一瞬で、真理の躰に火が点いた。
 自分でもわかるくらい、呼吸が速くなり、頬も熱くなってくる。きっと真っ赤になっていることだろう。
 そう思ったとき、彼は真理の手からバスローブを取り上げ、彼女の身体を包み込んだ。
「きゃっ!? まだ……身体が濡れてて」
「かまわない。私が拭いてやろう」
 そのまま、バスローブごと真理を抱き上げたのだった。

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