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政略結婚はもうやめます!
ドSなエリート銀行マンとこじらせ新婚ラブ

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書籍紹介

お相手は幼馴染みで初恋の人!

父親たっての希望で幼馴染みの樹と結婚した社長令嬢・澄玲。彼はモデルのようにイイ男に成長していて――。初恋の人と一緒に暮らせるなんて夢みたい! けれどこれは政略結婚。愛情を期待してはいけないと思っていたら「俺は君がいいんだ」ドキッとする言葉を伝えられて。溜め続けていた想いをぶつけるように毎夜激しく求められ、身も心も蕩かされる淫らな新婚生活に!

ジャンル:
現代
キャラ属性:
オレ様・S系
シチュエーション:
幼馴染・初恋の人 | 甘々・溺愛 | 新婚 | 政略結婚
登場人物紹介

四条樹(しじょういつき)

澄玲の幼馴染みで父親が頭取をしている銀行の社員。見た目は爽やかな好青年だが、独占欲が強く夜は攻め様系男子。

烏丸澄玲(からすますみれ)

中小企業の社長令嬢。ある出来事から樹と距離をとるようになった。父の勧めで樹とお見合いからの政略結婚をする。

立ち読み

「澄玲、結婚してみないか。ほら、樹くんと」

 父から言われた台詞に、烏丸澄玲は目が点になった。
 何が『ほら』なのか。
 結婚相手というものは『ほら』という掛け声で思い出すようなものなのか。
 それに加えて『みないか』ってどういうことだ。
 してみてダメだったらどうするのかという話である。おたくの娘の経歴にしっかり『バツ』がついてしまうんだがその辺は分かっているのか父よ。
(ていうか、今、私の誕生日を祝ってるのよね? ろうそくに火の点いたケーキを目の前に、妙齢の娘に……デリカシーというものを持ち合わせていないの、お父さん……)
 ツッコミどころが満載すぎて、遠い目になってしまう。
(多分、私はわりと運が悪いんだな)
 二十八本のろうそくが所狭しと立てられたバースデーケーキを見つめながら、ぼんやりと自覚した。
 小学校では、遠足の日や運動会の日になると、熱を出したり、怪我をしたりとか。
 中学校では、知り合いが自分の悪口を言っている場面に立ち会ってしまったり、しかもそれが初恋の相手だったりとか。
 それが気まずく、エスカレーター式の進学先を変えて別の高校を受験しようとしたが、受験当日に交通事故に遭うとか。
 心機一転、大学でできた彼氏の誕生日にサプライズパーティを計画し、約束なしに突入した彼氏の家で、浮気現場に遭遇してしまうとか。
 走馬灯のように苦い光景の数々が脳裏を駆け巡り、思わず「うーん」と唸り声を上げる。
 なかなかにスパイシーでビターな思い出ではあるまいか。
(でも、今のこの状況ほど苦くはないわねぇ……)
 どこか他人事のように思い、こちらを引きつった笑顔で見守る家族に微笑み返した。
「えっと。とりあえず、その話は、このろうそくの火を消してからでもいいかな?」
 ゆらゆらと燃える二十八本のろうそくは、ドロドロと溶けてそのカラフルな蝋の雫を真っ白いケーキの上に落としている。
「あ、ああ、それはもちろんだ! 誕生日ケーキなんだ、ろうそくを消さなきゃな!」
「そうね、そうね、早く消さなきゃね!」
 澄玲の言葉に、慌てた様子で両親が頷いた。その隣の妹の日葵が今更ケーキの惨状に気づいたのか、アワアワと指をさす。
「わあ、ろうそく垂れちゃってる! 早く早く、お姉ちゃん!」
「はいはい」
 ふう、とろうそくに息を吹きかけて火を消した。めいっぱい空気を吸い込んで吐いたつもりだったが、二十八本のろうそくの火力はなかなか手強い。一度では消えず、その後追加で二度吹きかけてようやく鎮火。
 既にケーキは美術館で見た現代アートの絵画のような有様である。蝋を取り除いて食べるのは骨が折れそうだ。
「おめでとう、澄玲!」
「澄玲ちゃんももう二十八歳なのね! 早いわねえ」
「お姉ちゃん、おめでとう!」
 三人から祝われ、澄玲はフフフ、と当たり障りのない笑みで「ありがとう」と返す。
 二十八にもなって、誕生日当日を彼氏ではなく家族に祝ってもらっている事実を直視すると、ちょっと涙が出そうだ。
(ひと月前だったら、いたのよ、彼氏が)
 澄玲は心の裡でひっそりと自己弁護をする。
 彼は歯科医師だった。職場近くの歯医者さんで、患者として通う内に、向こうから告白され交際に至ったのだ。澄玲よりも四つ年上で、互いの年齢から結婚を視野に入れた付き合いをしているのだと思っていた。
(思っていたのは、私だけだったみたいだけど)
 三か月続いた交際は、「思っていたのと違う」という彼氏の言葉と共にアッサリと終わりを迎えた。三か月という時間は、社会人にとってはかなり短い。互いに仕事をしている以上、休みを合わせて会うことができるのは精々でひと月に数回。同じ時間を過ごしたのはほんの六十時間──約三日弱だ。その程度の時間で貴様は私の何が分かったというのか、と思ったけれども口にはしなかった。正直に言えば、文句を言ってやるほど、相手に思い入れがなかったのである。
(行きつけの歯医者がなくなったことがむしろ痛い……)
 彼はなかなかの腕前で、痛みに弱い澄玲でも安心して身を預けられた貴重な歯科医師だったのだ。
 閑話休題。
 その歯科医師の彼とまだ交際していたのであれば、この事態はもう少し違った局面を迎えていたかもしれない。
(本当に、なんて間の悪さ……)
 まさに自分の不運を呪うしかないというやつだ。
「それでね、澄玲ちゃん。さっきの話なんだけど……」
 蝋塗れのケーキを切り分けてくれた母が、皿を手渡しながら、言いにくそうに切り出した。
 それを受け取りながら、澄玲はもう片方の手でこめかみを揉む。
 先ほど父から告げられた内容を反芻して、頭痛が生じてきた。
「……うん。つまり、私に、政略結婚をしてほしいってことよね?」
 ズバリ『政略結婚』という単語を出してやると、両親は困ったように顔を見合わせた。
「いやあね、澄玲ちゃんったら。政略だなんて! 別にそんなつもりはないのよ? それに、いくらなんでもいきなり結婚なんてさせないわよ。ホラ、軽~いお見合いみたいな感じ」
「そうだぞ、澄玲。相手は四条さんのところの樹くん! 小さい頃からお前もよく知っているじゃないか」
 父と母は笑って言ったが、澄玲は騙されない。
「……そうね。よつびし銀行の頭取である、四条のおじさまの一人息子。ついでに言えば、よつびし銀行はウチの会社のメインバンクでもあるわよね。その両者が婚姻関係を結ぶ──これを世の中では政略っていうのよ、お父さんお母さん」
 真顔で突きつけてやると、両親はバツが悪そうに黙り込んだ。
 澄玲の父は墨丸商事という食品を扱う中小企業の社長である。
 創業者は祖父だが、二代目である父が始めた和菓子チェーンが大当たりし、この辺りでは大きいと言っていい規模に成長した。
 そして墨丸商事のメインバンク、よつびし銀行の頭取である四条さんは父の友人でもあり、四条家と烏丸家は家族ぐるみで付き合いがあった。
 その四条さん家の一人息子と結婚しろと言ってきたわけである。
 はあ、と深い溜息を吐いて、澄玲は父親をじっと睨んだ。
「確認するけど、今、会社の資金繰りがどうとかいうわけじゃないのよね?」
 澄玲は大学を卒業後、墨丸商事に入社した。
 墨丸商事は世襲制だ。烏丸家に父の切望した男児は産まれず、澄玲と日葵の二人の娘だけである。長女の澄玲が後を継ぐのは、暗黙の了解のような状況だった。
 現在勤続六年になるお局様状態で、そこそこ会社の状態を把握できる環境にあるのだが、最近を振り返っても経営にこれといった問題はなかったように思う。
 すると父が憤慨したように声を上げる。
「バカなことを言うな。我が社はずっと黒字経営だ!」
「じゃあ、なんでいきなり政略結婚なんて言い出したのよ? なにか大きい事業でも新しく始めるつもり?」
 澄玲の疑問に、今度は父が呆れたように溜息を吐いた。
「今のところはそんな予定はない! 経営難が理由で娘を政略結婚させるなんて、時代劇じゃあるまいし。そもそも非現実的だろう。潰れかけた会社の娘を娶るメリットなんぞ向こう様には皆無だ。ウチの経営が厳しい状態で政略結婚なんぞ持ちかけたって、四条は笑顔で一蹴するだろうよ」
「まあ、確かに……」
 四条氏は銀行の頭取を務めているだけあって、かなりの現実主義者かつ利益至上主義者で有名だ。利のない政略結婚など鼻で笑って終わりだろう。
「この結婚を勧めるのは、お前が結婚適齢期になってきたということと、娘を嫁がせるならそれ相応の家であれば安心だという親心だ」
「結婚適齢期……」
 思わず鸚鵡返しをする。
(どうも、本日二十八歳になりました。烏丸澄玲でございます)
 などと、心の中で厭味ったらしく自己紹介してしまった。
 昨今の日本では二十代での結婚などまだ早いと言われてもおかしくないと思うのだが、この田舎ではそうはいかない。
(行き遅れ、と言われないだけマシなのかしら……)
 もや、と胸の中に黒いものが湧いたけれど、ここで吠えてみたところで両親は困惑するだけだと分かっている。要は生きている時代の違いとそれに伴う価値観の相違だ。合わせろといってもなかなか難しい問題なのだ。
「……まあ、いざという時の横の繋がりが強固であるに越したことはないという気持ちがないわけではないが……」
 ゴホン、と咳払いしながらそう付け加えた父親に、澄玲は、なるほど、と独り言ちる。
(要は、緊急性のない、やんわりとした政略結婚ってことね)
 よくあるやつだ、とどこか冷めた気持ちで納得した。
 この地方でそこそこ大きい会社の経営者の子どもとなると、こういった結婚は珍しいことではない。
 澄玲の周囲でも、こういう類の結婚をした友人が数名いるくらいだ。
 だから、そこに反発心や嫌悪感を抱いてはいない。経営者の娘として、いずれはそういう結婚もありなのかなと、ぼんやりとではあるが覚悟をしていたくらいだ。
 だがしかし、である。
(今回ばっかりは、相手が悪いのよ……)
 四条樹。
 澄玲の二つ上の幼馴染だ。
 彼に関して、一番最初に思い出されるのは、苦い記憶だ。

『やめろよ、澄玲なんて、鬱陶しいだけだ。父親の大手取引先の娘だから冷たくできないんだよ』

 澄玲が中学一年生、彼が中学三年生の時の記憶だ。放課後、生徒会長をしている彼に会いに、生徒会室へ行こうとした澄玲は、周囲の友人にそう吐き捨てるように言っていたのを聞いてしまったのだ。

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