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プリンスは太めがお好き?

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書籍紹介

くいしんぼう王子様×マシュマロ彼女
極上デリシャス*ラブロマンス

153cm、60kg+α。“ぽっちゃりキャラ”を演じて恋を諦めていた智美。残業が続く毎日の楽しみはイケメン営業からの差し入れ。金曜の夜、二人きりでいると電気を消され……。「君は今のままで十分魅力的だよ」これは夢? でも柔らかな体に沈む指はどこまでも愛おしげ。甘い言葉と愛撫に身も心も蕩ける凸凹恋物語!

ジャンル:
現代
キャラ属性:
上司・先輩
シチュエーション:
オフィス・職場 | 甘々・溺愛
登場人物紹介

黒滝信也

食品会社勤務の28才。父が社長の御曹司、営業部のホープであだ名は“プリンス”。金曜日の夜、よく残業をしている智美に差し入れをくれる。

吉村智美

食品会社勤務の24才。身長153cm、体重60kg+αのふくよかな体型で“ぽっちゃりキャラ”を演じながら日々を淡々と過ごしていたら――。

立ち読み

 「……そんなに自分の外見、嫌い?」

 確認するかのような問い。黒滝さんは、私にどうして欲しいんだろう。
 否定?
 でもどんな些事も見逃すことを許さないような強い視線に、もう自分を飾る嘘なんて、つけなかった。
「嫌い、です。できるなら、鏡なんて見たくないくらい」
「じゃあ、見えなければいいね」
 そう言って口の端を上げた黒滝さんは、私に向かって手を伸ばしてきた。
「きゃっ」
 黒滝さんの意図が掴めなくて、伸びてきた手に怯えて私は咄嗟に目を閉じて身体を竦めてしまった。
 その時、閉じた瞼でもわかる変化があった。
「えっ……!?」
 黒滝さんが手を伸ばしたのは、私の背後にあったデスクライト。
「なんで、電気消すんですか!?」
 節電のためフロア全体の電気は消してあって、光源はこのデスクライトだけだったから、本当に何も見えない。周囲にあるはずの机も椅子もついさっきまで目の前にあったはずの黒滝さんの顔も暗闇に塗りこめられてしまったように見えなくなってしまった。
「見ないから、いいと言って」
「きゃあっ!」
 不意に耳元で囁かれて、心底びっくりして目の前にあるもの──黒滝さんに、縋りついた。と言ってもそれは、スーツの端っこを指が掴んだ程度。けれど私の行動をイエスと取ったのか、耳たぶをくすぐった吐息で、黒滝さんが微笑んだのがわかった。
「いいんだね?」
「何のことっ」
 一体何のことだと問い返そうとした時、私は言葉を失う程の力に包まれてしまっていた。
 暗闇の中では何も確認できない。わかるのはただ、身動きすら許さない程の力が私の身体を拘束しているということだけ。
 あの、今、私、もしかして黒滝さんに、抱き締められている?
 頬に当たるスーツ生地の硬さに、ようやく自分がどんな状況かを把握した。
 うん、抱き締められてるね。それはわかった。
 でもどうしてこんなことになってるわけ!?
 頭の中はもう完全にパニック状態だ。疑問符ばかりがぐるぐると巡る。
 だって私今黒滝さんに自分がいかにろくでもないか切々と訴えていたんだよ? その結果が、これなの? なんで? 今起きていることが、何一つ理解できない!
 混乱しながらも黒滝さんの腕の中からどうにか逃れようとしてみる。けれど、強引に肌に触れられたことと激しいキスに、立ち直りかけた思考がまたばらばらに砕けてしまった。
 何度も何度も名前を呼ばれて、次第に強張っていた身体から力が抜けていく。
 ゆっくりと机の上に押し倒される。背中に当たった電源を切り損ねたノートパソコンの熱を感じた。だけど自分以外のものを気にすることができたのは、そこまでだった。
 終わらない口づけに、私は嵐に遭遇したボートみたいに翻弄される。高波に飲み込まれないように必死で息を繋いだ。
 なまめいた感触は、唇だけではなく額や瞼、頬、鼻……顔中至る所に降ってきて、涙の跡まで全て食べ尽くされてしまう。
 黒滝さんは、キスと一緒に「俺を受け入れてくれ」とうわ言のように繰り返した。
 おかしいよ。誰にも受け入れてもらえないのは、私の方なのに。
「智美……、俺のこと、嫌い?」
 唇を触れ合わせたまま、黒滝さんが尋ねてくる。その濡れた柔らかな感触に頭がぼうっとして、まともにものを考えられないのに、答えを促すみたいに下唇を舐められて、ますます思考回路は麻痺していく。興奮した時のようにキスをしても脳内麻薬が分泌されるのかな。
「答えて」
 そんなこと言われても、この状態ではとてもじゃないけど答えられない。煽ってもみくちゃにしないで。少しだけでいいから、冷静にさせて。
 逃げるように唇をぎゅうっと閉じた。キスは、駄目だ。唇が特別な理由が、ようやくわかった。一度触れたら、そのことしか考えられなく、なっちゃう。
 私が唇を閉じたことに気付いた黒滝さんは、「開けて」とばかりに舌でノックしてくる。その柔らかさと熱にすぐに屈してしまいそうになるけれど、ぐっと堪える。
 私としては必死に抵抗しているつもりだったけど黒滝さんからすればほんの少し強情をはっているようにしか見えなかったのかもしれない。
 喉の奥で小さく笑うと、黒滝さんは顎にかけていた手をあっさりと外してくれた。同じタイミングで閉じ込められていた腕の力も少しだけ緩んだ。
 ところが僅かに許された自由に、ほっと一息つく間なんてなかった。
「……っ!」
 はだけたブラウスの中へ黒滝さんの手が再び滑り込んできたからだ。熱い指はゆっくりと背筋を辿るように下から上へと動く。たったそれだけの動作にせっかく飲み込んだ声を洩らしてしまいそうになる。
 勝手に動き回る手をどうにかしたくても私の腕は黒滝さんによって拘束されたまま。机に背を押しつけられ、覆いかぶさるように大きな黒滝さんに圧し掛かられていて、どうにもならない。
「やぁっ……」
 手のひら全体で質感を確かめるようにわき腹を撫でられて、我慢できず声が出た。すかさず開いた唇の中に、黒滝さんがまた侵入してくる。貪る、という表現が一番しっくりくるくらいの、激しさで。
 苦しい。だけどそれは呼吸がままならないから、だけじゃない。
 何か、じわじわと圧力をかけられていくような焦燥感に似た気持ちが、さっき感じた感覚と相まって私を侵食していく。
「智美、答えて」
 熱い指が、催促するかのように私の肌を撫でて、私を追い詰めていく。
「智美」
 それなのに黒滝さんが私の名前を呼ぶ声は、哀願の切なさをたっぷりと含んでいて、相反する言葉と指に、一層混乱していく。
「答えてくれ……」
 荒い息の合間に、淡い炭酸の泡が弾けるような瞬きの音が聞こえた。
 熱い指先と唇に気を取られた私には、頭の中で思ったことを上手く言葉に変換できない。頭の中をぐるぐる回っているのは、どうして黒滝さんが私にこんなことをするのか、ただそれだけ。私みたいなデブになぜ触れてくるのだろうって。だって、どこもかしこもお肉だらけで、女としての魅力なんて欠片もないのだもの。
 でも……でも!
「や、じゃない……」
 嫌じゃないんだ。こうやって暗闇の中で急に抱き締められて、強引にキスされて、素肌に触れられて。全てのことが何一つ嫌じゃない。
 普通なら、軽蔑してしまいそうな男の欲望を向けられて……それを嬉しいと感じてしまうなんて、愚かで、馬鹿で、間抜けで……救いようがないや。
「本当に?」
 続きを促す問いかけに、必死で頷きながら、答える。
「本当に、嫌なんかじゃ、ない。だって……だって!」
 諦めなきゃって思ったけど、実際なりふり構わず二ヶ月の間逃げ続けたのに、ちっとも諦めきれてなかった。私みたいなのが言う資格なんてないってわかっていたけれど、もう、溢れ出す気持ちは止められない。
「黒滝さんのことが、好き、だから」
 言葉と一緒に、また涙が零れた。
「ごめんな、さい」
 きっと、呆れられる。デブが何言ってんだって、罵倒される。想いを告げた先から後悔する気持ちが湧いてきて、謝罪の言葉を形作る。
「どうして謝るの?」
「そ、れは……」
 それは、私がデブで、不細工だから。黒滝さんのように素敵な人を好きになる資格なんてないからに決まっている。でもそこまで説明しなくちゃいけないだろうか。
「俺の気持ち、迷惑だったわけじゃないよね?」
「黒滝さんの、気持ち……?」
 ぴんとこなくておうむ返しに尋ねると、黒滝さんは大きくため息をついた。だけどそれは呆れよりもしょうがない、みたいな雰囲気で。
「ねえ、俺がどうしてこんなことをしているか、わかる?」
 頬を伝う涙をそっと拭いながら、黒滝さんは優しく問いかけてくる。こんなこと、とは急に電気を消して、私を抱き締めてキスしたこと、だろうか。
「わからない、です」 
「だろうね」
 苦笑交じりの言葉に、ますますわけがわからなくなる。
「智美は俺の言葉をなかなか信じられないみたいだから、別の方法で思い知らせてあげる」
 別の方法って何? というか黒滝さんの言っていること自体がよくわからなくて首を傾げていると、頬を撫でていた指がゆっくり動いて首をなぞってくる。軽く触れるか触れないかという距離がなんだかくすぐったくて身を捩ると、ふっと空気が動いて、黒滝さんが微笑んだのがわかった。
「まずは、この身体に、ね」
 黒滝さんの言葉の意味を飲み込む前に、また唇が塞がれる。遠慮も躊躇もなく舌が侵入してきて、あっという間に私のそれと絡まった。身体の内側を触れ合わせる感触に、眩暈にも似た痺れが湧きおこる。
「んふぅっ……」
 鼻から抜けた声は自分のものとは思えないくらいに甘やかなもので、強張っていた身体から力を奪っていく。
 何も見えないからこそ触れ合っている部分から物事を判断しようとして、与えられる情報──感触や匂いや音を、必死で取り込もうとしているのかもしれない。それともキスって、こんなに深くて……こんなに苦しくて、切ないものなの?
 絡まる水音だけが、頭の中に満ちて、何も考えられなくなる。
 吸われ過ぎて唇自体がじんじんと腫れて熱を持って来たような気さえしてきた頃、ようやく黒滝さんはキスを止めてくれた。でもそれは唇と唇を合わせることを止めただけ。息苦しさから解放されて、荒い呼吸を整えようと大きく息を吸い込む。
「ああっ!」
 髪をかき上げ耳たぶを甘噛みされて、今までと違う刺激に肩が跳ねた。
「ここ、好き?」
 耳元で囁かれて、びくりと反射的に身体が揺れる。
「わ、かんない」
「なら確認しようか」
「ひゃあっ、うんっ」
 キスをするように耳に舌が差し込まれて、思わず声が出た。それだけじゃなくて蠢くさまがダイレクトに耳に響いて、どうしようもなく恥ずかしい。
「あっ、駄目、これ、駄目」
 濡れた舌の感触と音に溺れてしまいそう! 
「……ふうん」
 一人納得したように呟くと、じゃあ次、と黒滝さんはゆっくり唇を首筋に添わせるように肌の上を滑らせていく。柔らかく濡れた当たりに、身体が震える。
「あうっ」
「首も、いいみたいだね」
「やあっ、駄目、だって……」
「智美の『駄目』は『いい』でしょう? もう覚えたから」
「違うっ、あっ! 駄目ぇ……!」
 唇と舌の感触だけでもどうにかなってしまいそうなのに、それに気を取られていたら、とんでもないことになっていた。なんとブラウスのボタンが全て外されている! ちょっ、いつの間に!
「くろ、たきさん……」
「嫌じゃないって、さっき言ったよね? だから止めない」
 待って、と続けようとしたのに、遮るように言われて、言葉に詰まってしまった。確かにさっき、嫌じゃないって言ったけど、言ったけど!
 少しだけ、ほんの少しでいいから待って欲しい。それは駄目なのかな?
 だってこうして男の人に必死で隠してきた服の下を触れられることなんて、初めてで。黒滝さんの指が動くたびに、唇が押しあてられるたびに、自分がどういう風に振る舞ったらいいか見当もつかなくて、混乱してしまう。
 キスだって、初めてみたいなもんだったんだよ。この年齢でろくに経験もないなんて恥ずかしいけど、仕方ないじゃないか。今まで私のことをそういう対象として見てくれた男の人なんていなかったんだもの。
 このまま、黒滝さんに身を任せていいの? 痺れる頭で必死に自問自答していた時。不意に、かたん、と何かが動いたような音が耳に入った。途端に、私と黒滝さんがどこでどういう状態なのかを思い出す。
「駄目……!」
「止めないって言ったよ?」
 私の制止を、ただの抵抗だと思ったのだろう。黒滝さんは「だから、諦めなさい」と耳元で囁いた。
「違う……誰か、来ちゃうよぉ」
 もしもこんなところを誰かに見られたら────想像しただけで血の気が引く。
 ところが黒滝さんは、そんなのは杞憂だとばかりに、喉の奥で笑いを噛み殺した。
「誰も来ないよ。俺たち二人だけだ」
 黒滝さんの唇が、脂肪に埋もれた鎖骨の上でわざと音を立てる。ちゅっ、ちゅっと軽く吸いつかれて、ある心配が脳裏を過った。
「あっ、やっ! 跡、ついちゃうよぅ」
「これくらいじゃ、つかないよ。なあに? つけて欲しいの?」
「駄目ぇ」
「了解」
「あっ、いっ痛い!」
 言うなり思い切り吸いつかれた。あまりの痛さに唇が離れた後も熱と痺れがそこに残って、存在を主張する程。
「痛い……」
「ごめんね」
 でも、痛いものなんだよ、と黒滝さんはなだめるように囁くと、跡がついた場所に、キスを降らせた。いくつもいくつも。柔らかな感触が痛みを鈍い痺れに変えるまで。
 鼻先で黒滝さんの髪が揺れる。男の人向けシャンプーのメンソールの強い香りがふっと漂ってきた。それを嗅いだ瞬間「あ、これは現実なんだ」と心にすとん、と落ち着いた。
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